なみなみ通信Vol.13


海況情報

 5月を除き、全ての海区でやや高めで推移しています。


今期のいかかご漁をふりかえって

  いかかご漁は、コウイカが筑前海の各沿岸に産卵接岸する2〜4月、産卵巣となるイヌツゲをかごに付け沈めてとる漁業です。コウイカの漁獲量は近年減少傾向でしたが、平成13年は、このいかかご漁が豊漁であったため、農林水産統計によると、 513トンと過去25年の平均漁獲量まで回復しました。 漁獲量が漁業種類毎に集計可能な糸島地区では、 平成14年のいかかごは昨年と同程度の漁獲があり、昨年同様、比較的豊漁だったと思われます。
累積漁獲量とCPUE(1日1隻当たり漁獲量)との関係から糸島地区の初期資源量を推定したところ、143トンのコウイカ資源が漁期前にいたものと考えられ、資源的にも比較的水準が高くなってきているものと思われました。


コウイカ漁獲量の推移(筑前海区)

 

(研究部漁業資源課)


グミの調査を実施しています

  筑前海では昭和63年頃にグミの大量発生が確認され、今日まで続いています。グミの発生海域では底びき網等の 網漁業に大量に入網し、操業の大きな妨げとなっています。グミは体長8pくらいの大きさで、分類上はナマコの仲間ですが食用にはなりません。
センターではグミの分布や生態などについての調査を行い、分布域の推移、産卵生態、グミの発生生態等を明らかにしてきました。
本年のグミの分布域は、姫島周辺〜小呂島南部域、玄界島周辺、地島周辺域等の海域で、筑前海西部海域に分布の 中心があり、近年分布域が西側に拡大する傾向にあります。
また、春先の調査では、体長1cm前後の昨年生まれの個体群が西側海域で採捕されており、今後新たな分布域の拡大が懸念されます。

(研究部海洋環境課)


有明海のり養殖は過去最高の生産枚数

  12年度の大不作から不安を抱えながらのり養殖は10月4日の採苗から始まりました。育苗期には沖側漁場での高水温による芽の脱落などがありましたが、全体的に良好な冷凍網が確保できました。秋芽網生産もあかぐされ病に対 し、適正な網管理と天候にも恵まれたことから好結果となりました。
冷凍網生産は栄養塩が十分量あり、ノリの品質低下を起こす壺状菌の初感染も2月12日と非常に遅かったことから、2月初めまでは順調に生産されました。2月10日から珪藻プランクトンが増殖を始め、数日後には沖側漁場から色落ちが発生し、大部分の網は撤去されました。3月中旬からプランクトンが減少傾向となり、三期作として3月下旬から4月上旬にかけて最後の網が張り込まれ、1億枚の生産を追加できました。最終的な生産結果は、これまでの 最高の15.5億枚、金額は史上6位の188.6億円、平均単価は全国トップの12.19円となりました。
生産者・研究所が一体となって一生懸命取り組んだ13年度漁期でしたが、満足のいく生産結果となり、明るい光 が差し込みました。


 

(有明海研究所のり養殖課)


アサリを守ろう

  豊前海のアサリ漁獲量は、昭和61年の11,000トンをピー クに年々減少して、近年では1,000トン台と、資源的にも非 常に厳しい状況にあります。 その漁獲量を産地別にみると、 吉富漁協の水揚げ割合が高く、平成12年では全体の9割を占めるなど、アサリは組合にとって重要な漁業対象になっています。
しかし、平成14年3月の吉富干潟のアサリ資源量調査では 330トンと推定され、例年と比較して低い水準でした。
そこで山国川、佐井川河口ではアサリ稚貝が大量に発生しますが、出水期には沖合域に流されてしまうことが確認されたことから、漁業者がアサリの流失防止や稚貝の着底促進を目的として佐井川河口に杭を約1,000本打ちました。今後は、 漁業者と協力してこの「杭打ち効果」を追跡・確認する予定 です。
この他に、杭を用いたアサリ資源の維持増大の取り組みは、蓑島,沓尾の干潟でも試みられています。

(豊前海研究所漁業資源課)


外来魚の駆除技術開発をめざして

  県内の河川や湖沼では、北米原産のブラックバスやブルーギルが侵入、繁殖した結果、在来種を食害することによる漁業被害だけでなく、希少種を含めた在来種の減少による生態系への影響が大変心配されています。
これまでの調査でブラックバスが主に魚類や甲殻類を捕食するのに対し、ブルーギルは昆虫類を中心として魚類や魚卵、貝類、プランクトンを含めた甲殻類、そして藻類なども食べる雑食性であることがわかっています。このため食性からもブルーギルの方が環境適応能力が高く、最近ではブラックバスよりも増える傾向にあります。 研究所では、今年度から国や他県の研究機関と協力して、県内のブルーギル対策についての研究を進めています。
5月に寺内ダムで釣りにより採取されたブルーギルは全長が7pから20p程の大きさでしたが、このうち全長が9.5 p程の雌でも熟した卵をもっていました。原産地のアメリカでも全長10pで成熟するといわれています。寺内ダム での成熟状況から、今後は県内での生態特性などを基に小型の個体を含めた駆除技術に関する研究を進めていきます。

(内水面研究所)



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