貝毒原因プランクトンの発生と水温との関係について

 

@ 現状
採貝やかき養殖漁業が盛んな豊前海においては、有毒プランクトンによる貝の毒化は、人体に影響を及ぼすことから食品衛生上大きな問題となっています。貝毒による被害を防止するためには、まず貝毒の発生を予察することが重要です。そのためには、その原因となるプランクトンが発生する環境要因を解明することが不可欠です。
豊前海において貝毒プランクトンが初めて出現したのが平成8年と新しいため、原因種についての知見が少なく、 環境要因との関連性については未整理な状況でした。

A 研究の成果 
平成11〜13年の3カ年、豊前海全域で年間を通じてプランクトンの発生状況をはじめとする環境調査を実施しました。また、プランクトン発生に大きな影響を及ぼす水温に着目して整理した結果、次のようなことがわかりました。

貝毒の原因種としては、ギムノティニウム属1種、アレキサンドリウム属2種の出現が確認されました。
ギムノティニウム・カテナータム、アレキサンドリウム・タマレンセの発生に係る水温応答は、他海区における同種のそれと類似していましたが、アレキサンドリウム・カテネラについては、他海区の既往知見より低水温適応型の株である可能性が高いと考えられました。

現在のところ豊前海区では麻痺性の貝毒原因プランクトンが確認されている他、下痢性貝毒の原因プランクトンと して東日本で知られているディノフィシスも少ないながらも確認されていますので、今後は下痢性貝毒も含めて監視体制を 強化していきます。

 

(豊前海研究所漁業資源課・浅海増殖課)

Vol.13 Topへ