なみなみ通信Vol.15


海況情報

 有明及び豊前海区の11月の表層水温はかなり低めでしたが、筑前海区ではほぼ平年並みで推移しています。


今が旬です〜「豊前海一粒かき」の作柄はまずまずの出足〜

昨年も例年どおり3〜4月にかけて各地で養殖が開始(種ガキの垂下)されました。養殖開始直後はイガイやフジツボなど餌料競合生物の付着もなく極めて順調な滑り出しでしたが、@少雨のため餌料プランクトンの発生量が少なかったこと、A例年発生するカキのへい死や台風等による脱落が極端に少なく着生密度が高いまま経過したこと、等によって、夏季以降カキの成長が鈍化し作柄が心配されました。

しかしながら、水温の低下とともに身入りも良くなり、成長の遅れも取り戻したため、収穫も11月初旬からスタートするなどまずまずの出足となりました。漁業者や県・市町村が定期的に行っている各種衛生検査結果についても全く問題ありません。不景気のせいか、注文の出足が若干低調ですが、これから水温の低下とともに身入りもますます良くなりますので、おいしい「豊前海一粒かき」をぜひご賞味下さい。

(豊前海研究所浅海増殖課)



カキの洗浄・選別作業


福岡湾で赤潮発生が続いています

福岡湾で11月14日に発生を確認した赤潮は 12月に入っても消滅することなく継続し、長期間継続した赤潮となっています(12月27日現在)。

今回赤潮の原因プランクトンは ギムノディニウム・サンギネウムと呼ばれる植物プランクトンの一種で、特に冬季を中心に発生することが知られている種類です。

福岡湾では平成3年に初めて本種による赤潮が確認され、以来数年おきに赤潮発生を繰り返しています。この赤潮は長期間継続することが特徴で、これまでの最長の継続期間は福岡湾で発生した平成5年12月から翌6年5月上旬まで139日間が最長となっています。幸いなことに、このプランクトンは魚介類に直接被害をもたらすことはありません。

(研究部海洋環境課)

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有明海のり養殖概況〜秋芽網は史上第2位の生産枚数〜

平成14年度のり養殖のスタートとなる採苗は10月6日から開始されました。採苗後、ノリは順調に生長し、冷凍網の入庫は予定どおり11月始めに完了しました。秋芽の摘採は11月5日から始まり、12月5日の網の一斉撤去までに4回の摘採となりました。秋芽生産は4.6億枚と史上第2位の豊作でした。

<今年度の特異点>

@秋芽網の生産を左右するあかぐされ病は水温が18℃以上で猛威をふるいます。今年度は、水温が10月下旬に急  降下して一時的に平年を4℃下回る16℃となりました。その後も水温は平年より2℃低く推移したため、あかぐ  され病の被害は小さい状況でした。秋芽生産の安定には危険水温をうまく避けて生産期を迎えるような管理方法  の検討が大切です。

A秋芽生産の終わりに近い小潮時に、プランクトンが少ないにもかかわらず、ノリの色落ちが発生しました。この  色落ちは好天が続きノリが高水準に生長したため、ノリ自身が海水中の栄養塩を消費したことが原因です。これ  と同じ現象は平成10年12月下旬にも認められました。この色落ち対策としては網の行使枚数を減らすこと、す  なわち減柵が有効と考えられますが、この点について論議を深めることが必要です。

        (有明海研究所のり養殖課)



冷凍網の展開


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矢部川のアユ資源調査

漁業者の皆さんからの標識魚の再捕記録をもとにアユの移動と資源量を調査しています。 13年度調査の結果としては、天然遡上してきた稚アユは花宗堰より上流には少ないこと、また、矢部川漁協が実施している移殖放流(瀬高堰で採捕した天然遡上稚アユを上流に放流する)は、漁場を有効利用するために効果が大きいことも確認されました。 13年度の天然資源量は約86万尾であったこともわかりました。

今年度の調査結果は現在集計中ですが、今シーズンのアユ漁は、前半は豊漁、後半は渇水の影響でやや不漁で推移しました。漁期終了後、標識魚の再捕記録が集まってきており、今後、これらのデータを解析し矢部川のアユ資源の増殖に役立てたいと考えています。

(内水面研究所)

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矢部川漁場図 Stn.漁場別漁獲尾数と標識魚の混獲率

                        

  

外来魚の捕食実態調査

現在県内の河川や湖沼では、北米原産のオオクチバスやブルーギルが繁殖し、在来種を食害することによる漁業被害や希少種を含めた在来種の減少による生態系への影響が懸念されています。

内水面研究所では、こうした外来魚対策の基礎資料として胃の中を調べ、捕食実態の調査を実施しています。

これまでの調査では5月に甘木市の寺内ダムで釣りにより採捕されたオオクチバス 8尾では、6尾から魚類やテナガエビ、昆虫などが確認され、他の 2尾の胃は空でした。6月に犀川町を流れる今川でさし網を使って採捕されたオオクチバス21尾では、12尾から魚類、ヤゴなどが確認され、残りの 9尾は空胃でした。7月に黒木町の花宗池で釣りで採捕されたオオクチバス 26尾は、18尾の胃からオタマジャクシや昆虫などが確認され、残り 8尾は空胃でした。10月と11月に久留米市の筑後川で釣りとさし網により採捕されたオオクチバス3尾の胃はともに空でした。

一方ブルーギルは、寺内ダムで採捕された 59尾の全てで水生昆虫や魚卵、プランクトン、藻類などが見られ、今川では8尾全てに水生昆虫(カゲロウなどの幼虫)などが、花宗池でも 34尾のうち31尾の胃に内容物が見られました。

(内水面研究所)

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今川(犀川町)で採捕されたオオクチバスとブルーギルの胃内容物の例

 

 

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