なみなみ通信Vol.15

アカウニで300万円儲かる話

 アカウニは筑前海の重要栽培漁業対象種の一つですが、同じ磯根資源のアワビと比べて放流効果に対する認識については地域(漁協)間で差がみられます。このため、県では放流効果を高めるために「ていねいな放流」を提唱してきました、つまり、凪の日を選んで潜水作業により石の隙間に放流し、なるべく放流直後の歩留まり(生残)を良くするということです。

今回、新しい標識法(ALC)を用い糸島の姫島地区において大型の種苗( 20o)で標識放流試験を行い、その放流効果が明らかになったのでご報告します。

平成11年5月に標識アカウニを1.5万個放流し、3年後の 14年8〜10月のアカウニの漁獲状況から、回収個数が約4千個となり、26.8%の放流アカウニを回収したことがわかりました。また、漁場におけるアカウニの分布密度の漁期前後の差から、漁期当初の資源量の34.5%を漁獲していると算出されます(まだ取り残しが65.5%ある状態)。これを、実際の放流レベルである5万個に引き延ばして収支計算をしてみました。


項  目

内   訳

金 額(千円)

支 出 種苗購入費 5万個 × 20円 × 1.05 1,050
板ウニ箱代 2,735枚 × 20円 × 1.05 57

収 入 板ウニ漁獲 放流個数 回収率 一箱ウニ数 一箱単価
5万個 × 0.268 4.9個 × 1,000円 2,735

収  支

1,628


このように、放流後3年目の一年間の漁獲だけでみても約160万円の利益となります。さらに取り残した放流アカウニの翌年の漁獲も含めると約300万円の利益となることがわかりました(これは試算によるものです)。

以上のように、アカウニの放流については高い経済効果が見込めますが、今後は、各地域(漁協)の漁場や漁獲実態にマッチした放流手法や資源管理手法を確立し、アカウニの放流効果をさらに高めていきたいと考えています。そのためにも、放流の際には「ていねいな放流」について十分に留意くださるようおねがいします。

(研究部浅海増殖課)

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ALC標識3年後のマーク

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