なみなみ通信vol.16

病気に強いアユの作出−耐病性に関するdnaの目印検出の試み−

ビブリオ病は、アユ養殖業において短期間に大量へい死を起こす重大な疾病です。その対策として、薬剤による治療法やワクチンによる予防法が用いられています。しかし、これらの治療法や予防法にも限界があることから、ビブリオ病を初めとするその他の重大疾病に対して耐病性を有した品種の作出が強く望まれています。そこで、ビブリオ菌(vibrio anguillarum pt-479株)を用いて4回の耐病選抜を行うことで遺伝的に耐病性を有したアユの作出に成功しました。
さらに、この耐病系統はビブリオ病の人為感染試験において、無選抜群及び和歌山系クローン(遺伝的に均一で個体差がなくビブリオ病に弱い)より生残率は高く、また血液中の、病気に対する抗体も多いことがわかりました。そこで耐病系統(父親)と和歌山系クローン(母親)とで、子アユ(交雑第1代:f1)を生産したところ、全ての子アユに耐病性が確認され、耐病性に関する遺伝子は優性であると考えられました。
現在、これらの父親、母親及び子アユの遺伝子を調べ、耐病性に関するdnaの目印を探しています。今後、耐病性に関するdnaの目印が特定されれば、次代で耐病系統ができ、その他の有用系統との交配により、例えば耐病性があり成長が良い系統の作出が効率的に行えるようになります。

(内水面研究所)

 

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耐病系統作出試験模式図

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耐病群(父親・子アユ)のみに認められたdnaの目印(↓)

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