なみなみ通信Vol.19


海況情報

 いずれの海区とも水温は平年並みかやや高めで推移していますが、豊前海区の12月の水温は平年差+2.4℃とかなり高めでした。


絶好調−“豊前海一粒かき”の作柄−

   昨年も例年どおり3〜4月から各地で養殖が開始(種ガキの垂下)されました。
今期は、イガイやフジツボなど餌料競合生物の付着が少なく、しかもカキのへい死も少なかったこと、更には餌料プランクトンの発生量が多かったことで成長や身入りが極めて良好であるなど、養殖経過は極めて順調です。このため、養殖イカダが各地とも重みのため沈み気味で、一部では水没するイカダも見られるほどです。
収穫は11月初旬から始まりましたが、例年よりさらに大きく、身入りの良いカキが収穫されています。
漁業者や県・市町村が定期的に行っている各種衛生検査結果についても全く問題ありません。
これから水温の低下とともに身入りもますます良くなりますので、おいしい「豊前海一粒かき」をぜひご賞味下さい。購入先等のお問い合わせは豊前海カキ養殖研究会まで(電話093-434-1715)。

(豊前海研究所浅海増殖課)

 
カ キ の 洗 浄 作 業


箱 詰 め さ れ 出 荷 を 待 つ カ キ

 


イカナゴ(カナギ)夏眠親魚調査結果のお知らせ

   イカナゴは、クギ煮や干物等の食用としてだけでなく、マダイ等の大型魚類の絶好の餌料生物として筑前海の魚類資源を支える重要な魚です。
 通常、イカナゴは、水温19℃台に上昇する6月上旬頃になると、潜砂したまま夏眠し、18℃台に下降する11月上旬頃になると遊泳を開始します。12月にかけて活発に摂餌し、この間急速に成熟がすすみ1〜2月に海底の砂地に産卵します。
 イカナゴは北方系の魚で、福岡は漁獲の南限に近く、11〜2月までの水温が仔稚魚の発生や生残に大きく影響すると考えられています。冬期水温が14.5℃以上では親魚量に関係なく発生量は少なく、14.5℃以下であれば親魚量が多いほど発生量が多いことが今までの研究で明らかとなっています。
 15年10月27日に、夏眠中の親魚分布密度を空針釣漁具を用いて調査した結果、通常100尾/千uあれば十分といわれる平均親魚量は、昨年の5.2倍の98尾/千uと多く、十分量の親魚がいると考えられます。
あとは、11〜2月の水温が平年並みに低下し、餌となる動物プランクトンが豊富であれば、3月にはシンコ (0歳魚)の豊漁が見込まれます。



(研究部漁業資源課)

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イカナゴ親魚量の経年変化

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イカナゴ夏眠親魚分布調査


有明海のり養殖経過(12月下旬まで)

   採苗は10月5日から開始され、中旬までは順調に経過しました。しかし、あかぐされ病により秋芽生産は大不作となりました。
 あかぐされ病は10月29日に初認され、@ノリが摘採サイズに達していた、A小潮であった、B水温が高かった、C11月1〜6日にかけて約100mmの降雨があった等の要因が重なり、漁場全域に急速に蔓延、重症化し、大被害となりました。その後も高水温と断続的な降雨のため11月28日の一斉撤去まで病勢は収まらず、秋芽生産としては、ここ20年間で最低の生産量(0.8億枚)となりました。
 冷凍網は12月3日から一斉に張り込まれました。海況・ノリの生長ともに順調で8日から摘採が始まりました。冷凍生産の初入札となった23、24日の入札結果は、1.8億枚、33億円と秋芽生産の不振を取り戻す、まずまずの再スタートとなりました。


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矢部川のアユ資源量を調査しています−U

  本誌17号でお知らせした矢部川のアユ資源量調査の一環として、産卵場とふ化仔魚の流下状況を調査しています。
アユのふ化仔魚は外敵に食べられないよう、ふ化した夜のうちに河口域まで下ります。このためアユの親魚は、海に近い瀬の産卵場を目指して落ち鮎となって川の上流から集まってきます。
10月末に行った産卵場調査では、筑後市の船小屋温泉前の瀬と、瀬高町の名鶴堰下でアユの付着卵が確認され、支流の沖端川では見られませんでした。今年の主産卵場は船小屋温泉の前のごく限られた範囲であると考えられます。
今年のアユのふ化仔魚の流下は10月中旬から確認され、12月初旬まで続きました。また11月12日から13日にかけて、名鶴堰でふ化仔魚の流下状況を2時間おきに調査したところ、午後6時頃からふ化仔魚が採捕され、午後8時頃までをピークに徐々に尾数を減らしながら朝まで採捕されました。
水のきれいな瀬の砂利や小石に産み付けられた卵は約2週間でふ化します。皆さん、川を大切にし、ゴミなどで汚さないようお願いします。

(内水面研究所)

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矢部川の産卵場のアユ卵(直径約1o)


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2時間毎の名鶴堰魚道でのアユ仔魚流下状況
(50p×30p枠・10分間採捕)


 

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