なみなみ通信Vol.19

貝毒被害防止に関する研究

   平成12年から筑前海区沿岸の唐津湾海域でまひ性貝毒の原因となるプランクトンの一種であるギムノディニウム・カテナータム(学名:Gymnodinium catenatum、下図)が出現するようになり、カキ養殖業の大きな問題となっています。それは、このプランクトンを餌として摂取したカキは人間に神経性の食中毒を引き起こすことがあるからです。このプランクトンは毒性が大変強く、海水1リットルあたり数百細胞程度存在するだけでカキなどの二枚貝を毒化させると言われています。症状はフグ毒と似ており、食後30分程度で舌、唇、顔面がしびれたり、重症の場合は体が思うように動かなくなり、最悪の場合、死亡することもあります。
 現在、当センターではカキ出荷時期である10月から翌年1月まで、消費者に安全・安心なカキを提供するために、貝毒プランクトン数の検鏡とマウスによる貝毒検査を短間隔で定期的に行っています(天然の二枚貝についても2〜7月に実施)。しかし、かなりの労力、費用が必要であるため、これらを軽減するとともに、今後とも安全・安心なカキや二枚貝を消費者へ提供できるように、貝毒プランクトンの動向と貝毒との関連を総合的に解析して、貝の毒化予知手法の開発に取り組んでいます。さらに、プランクトンの室内培養実験により、本種プランクトンの増殖特性など基礎的な増殖条件の解明にも取り組んでいます。
 最後になりますが、関係漁協および漁業者の方々、採水・サンプル採取のご協力ありがとうございました。また、来期も継続して実施しますのでよろしくお願いします。 

                      (研究部海洋環境課)

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11連鎖のGymnodinium catenatum (周囲の小さな細胞は珪藻)

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