なみなみ通信Vol.2

普及だより

魚やシャコにやさしい海水シャワー

 豊前海は全域が15m以残の遠浅な砂泥質の海域で、クルマエビ、ガザ ミ、シャコ等の甲殻類を漁獲する小型底びき網が基幹漁業です。小型底びき網漁業では、小型(全長12cm以下)のシャコが多数混獲されますが、 漁獲物を選別する数分間、船上に放置された状態になっており、再放流 時にダメージを負っている個体が多く見られます。そこで、選別時の漁獲物に海水をかけ流し、再放流したときに生き残る割合を向上させる装置の開発に取り組みました。装置は写真のとおりで、操業及び選別時にじやまにならないよう、穴を開けた塩化ビニルのパイプを船尾に取り付け、漁獲物の上からシャワーの様に海水をかけ流すもので、費用は2万円以下と安価です。この装置を22隻の漁船に取り付け、6〜9月の間、漁業者に日誌をつけてもらって効果を調べました。その結果、夏季の高水温時には効果が見られないものの、6〜7月はシャワー装置を使用すると生き残る率が約30%向上することが分かりました。更に漁獲サイズのシャコについても効果があり、付加価値向上につながることも分かりました。この結果を受け、小型底びき網 部会で検討した結果、全漁船158隻中、142隻への設置が決定されました。この成果により、6〜 7月の2ヶ月間だけで、再放流される20トン以上のシャコの生き残る割合が向上すると見込まれます。今後は、夏季高水温時の対策について取り組んでいきます。

(豊前海研究所漁業資源課)


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