なみなみ通信Vol.21


海況情報

 海水温について、筑前海区沖合の6月と豊前海区の5月がやや高めであった以外は
、ほぼ平年並みで推移しています。


ケンサキイカの漁獲情報

  筑前海では平成10年頃からケンサキイカの不漁が続いていますが、昨年(平成15年)は5年振りに千トンを越え(1,072トン)、回復の兆しが見えました。しかし、昨年の 11月以降は再び平年を下回る漁獲が続いていました。そうした中で、盛漁期に入った本年5月には平年・前年を大きく上回る漁があり、 6月は平年並みでした。昨年並みの漁獲量を維持できるかどうか、今年夏期以降の漁獲の推移
に注目しているところです。県内ケンサキイカ漁獲量の 70%以上を占めるいか釣漁業の漁獲の推移(主要1漁協分)を図に示しました。なお、いか釣漁獲量の 95%はケンサキイカが占めています。

(研究部漁業資源課)

 


 


アゲマキ生息情報

    アゲマキは日本では有明海にしか生息していない二枚貝ですが、平成2年以降資源が急激に減少し、福岡県では平成7年以降漁獲量はほとんどゼロの状況が続いています。昨年8月、塩塚川河口域で有明海研究所と関係四漁協による共同調査を実施したところ、少量ながらまとまった生息域が認められました。さらに今年6月に同一区域で追跡調査を行ったところ、昨年秋期生まれの稚貝が採捕されたため、再生産が行われていることが確認されました。

この貴重な資源を守るため、この区域は平成 15年9月29日に福岡県漁業調整委員会指示でアゲマキ採捕を禁止した保護区が設定されています。絶滅状態にあったアゲマキが今後復活できるよう、漁業者をはじめとする関係者の皆様のご協力をお願いします。

(有明海研究所資源増殖課)

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有明海サルボウ資源の増加

  平成元年以降、有明海におけるサルボウの漁獲は増加傾向にありましたが、平成7年をピークに減少に転じ、平成 13年は平成に入って初めて1,000トンを割り込みました。しかし、毎年春に実施している資源量調査の結果、平成14 年以降増加傾向が認められ、今年3月の生息量調査では昨年同時期の約 1.5倍と推定されました。

資源が増加した原因の一つとして天然採苗の実施が挙げられます。平成 12年度のノリ不作を受け、ケイ藻赤潮対策のため平成13年度に全域で天然採苗による資源増殖が実施されましたが(なみなみ通信 vol.10参照)、その後も毎年漁業者により自主的な採苗が続けられ、今年度も6月下旬から7月上旬にかけ12カ所で実施されました。このような漁業者自身による積極的な取り組みによって、資源の増加が期待されます。

(有明海研究所資源増殖課)


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豊前海に標識付きカサゴ、メバルを放流しました!

  近年、豊前海では漁場造成事業により、新たな魚礁場が生まれつつあります。そこで礁に根付く高級魚漁あるカサゴ、メバル等の増殖技術を開発するためで、5月下旬にカサゴ、6月上旬にメバルをそれぞれ約1万尾、苅田町沖人工島周辺に放流しました(カサゴは青い標識、メバルは赤い標識を装着)。追跡調査によって成長、移動、根つき状況等を明らかにしていきますので標識の付いたカサゴ、メバルが漁獲されましたら、研究所に連絡をお願いします。

(豊前海研究所漁業資源課)


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河川の漁場環境調査を実施しています

 

 

  福岡県には、54水系325河川がありますが、そのうち筑後川、矢部川など 10河川に漁業権が設定されています。当研究所では、昭和 58年から河川環境を監視するため、主要河川である筑後川と矢部川において、定期的にモニタリング調査を行い、水質分析や底生生物の生息状況を調べています。過去 10年間の推移を見てみると、年による変動はあるものの両河川とも概ね良好な状態に保たれています。

水は、あらゆる生物の生命の源です。今後もモニタリング調査を継続していきます。河川の水を守るため皆様のご協力をお願いします。

(内水面研究所)

 

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きれいな水の指標生物(水生昆虫) 

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少し汚れた水の指標生物(水生昆虫)

 
 

 

コイヘルペスウイルス(KHV)病対策について

  コイヘルペスウイルス病(以下、KHVとする)の県内における発生及び検査体制の整備については、本年1月発行のなみなみ通信19号でお知らせしましたが、その後5月末から筑後川流域の河川・クリーク等において、また、6 月には県内最大の養殖鯉生産地である浮羽町の養殖場でKHVによるコイの大量へい死が発
生しました。6月末現在で、本県におけるKHVの発生は、県南部を中心とする8市13町に及んでいます。さらに、このへい死現象は、本県のみならず九州や全国レベルで広がっています。

こうした事態を受け、@県内の全水域におけるコイの放流制限、A県内指定水域で採捕したコイの他水域への放流禁止等が盛り込まれた福岡県内水面漁場管理委員会指示が発動された他、今回KHV発生が確認された4つの養殖業者に対し、県は持続的養殖生産確保法に基づき、全てのコイの処分命令を出しました。

現在、県ではセンターと行政が一丸となり、国・市町村・漁協などの関係機関と連携を密にし、へい死したコイの検査や処分命令の履行確認作業などKHV対策に懸命の努力をしているところですが、KHV拡大防止を徹底するために以下の点についてご協力をお願いします。

なお、KHVはコイ特有の病気で、コイ以外の魚には感染しませんし、まして人に感染することは絶対にありません。さらに、感染したコイを食べても、人体には全く影響ありません。

(豊前海研究所漁業資源課)

 

KHV検査風景



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