なみなみ通信Vol.22


海況情報

 海水温は、7〜8月にかけ全般的に高めで推移しました。


福岡湾のヘテロカプサ赤潮

  今夏は記録的な猛暑でしたが、福岡湾では平成元年から15年ぶりにヘテロカプサ サーキュラリスカーマによる大規模な赤潮が、7月下旬から8月上旬にかけて発生しました。
 本種は魚介類に有毒で、特に貝類に甚大な被害を与えます。今回も、漁港内イケス中の魚類や能古島、浜崎今津でアサリのへい死が見られました。特に、アサリ採貝漁業が基幹漁業の福岡市漁協能古支所では、漁家経営にとって深刻な問題となっています。
 現在、アサリ資源回復のための方策を漁業者と行政、センターが一体となって検討しているところです。  

(研究部海洋環境課)


 


マダイ幼魚資源は黄色信号!

    マダイ幼魚(ジャミ)の分布量調査を平成16年7月初〜中旬に宗像・粕屋海域22点、唐津湾海域12点において、1そうごち網漁船により実施しました。
マダイ幼魚とは今年の春に産まれたもので、1年後には漁獲対象となり、筑前海では3、4歳程度までが漁獲の主体となります。
 この5〜6年の調査結果をみると、平成11、12年の本調査でのジャミ分布量は、平均入網数16尾、45尾/網と極めて少なく、今後の海域のマダイ資源の減少が心配されましたが、この影響が出る16年漁期前半の漁模様をみると、4歳魚等の大型魚についてはやはり不漁となっています。
 次に、13、14年の調査では、平均入網数283尾、246尾/網と過去10年間で最高だった7年と同等以上に回復しましたが、15年は133尾/網とその前年と比較して半減しています。
 今回実施した16年7月の調査では、80尾/網で100尾/網以下の水準まで低下しています。
 地区別には、鐘崎地先では331尾/網と比較的多く入網していますが、ジャミの主要な成育場である新宮・奈多地先では、5年間で最も少ない50尾/網以下となっており、唐津湾においても、20尾/網以下と極端に減少しています。また、ジャミの分布が岸よりに限定されていることからも、本年度の海域全体の加入資源量は少ないと判断されます。
 昨年の漁獲量は1,000トン以上を保っていますが、沿岸域の大型魚は減少していること等からも、今後の資源の落ち込みが懸念されます。
 漁業者の皆様でまずできることは、小型魚(13cm未満)の再放流運動の推進です。限られた資源ですので大切にしましょう。

(研究部漁業資源課)

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地区別の一網あたりマダイ幼魚採捕尾数


平成16年度有明海のり養殖の基本戦略

 10月11日の午前6時から出港し、本年度の採苗が開始されました。採苗当日は、柳川沖で23.2℃と適水温でした。15日までに必要量のタネの着生が認められ、採苗時の芽付きは昨年と比べ厚付きの網は少なく、おおむね「適正」でした。
 18日の海況は、水温は21.8℃、比重は21.8、栄養塩(DIN)は9.8μg・at/lと特に問題のない状況でしたが、台風23号が21日に通過したため、22日には漁場全域で比重低下が認められました。
 本年度の秋芽生産期と冷凍生産期についてのポイントは以下のとおりです。

(1)秋芽生産期  
 シオグチでの芽イタミが軽ければ、冷凍網入庫は11月3日から7日頃、初回摘採は11月9日から13日頃とそれぞれ予想されます。このため、入庫期間があかぐされ病の危険な小潮期と重なりますので、この期間に網の干出を十分にとり、あかぐされ病の感染を抑えることが、今年度秋芽生産安定の最重要課題です。この時期をうまく乗り切れば、12月初旬の網撤去までに3回の摘採が可能です。

(2)冷凍生産期
 スミノリやくもりノリの発生予防のためにはノリ葉体に十分な干出を与えた後に初回摘採を行うことが必要ですので、シオグチの12月6,7日が冷凍網出庫の適期と考えられます。

(有明海研究所のり養殖課)




平成16年度の潮回りから予測される養殖スケジュール

 


 

 

豊前海のアサリ資源回復への取り組み

 豊前海のアサリ漁獲量は、昭和61年の11,000トンをピークに減少し、ここ2〜3年、資源量は極度に落ち込んでいます。このため、蓑島、沓尾、吉富の各地先では、平成14年度より杭を漁場に打ち、アサリ稚貝の定着を図る資源増殖策に取り組んでいます。
 平成16年9月の調査では、蓑島地先では、澪筋から杭打ち漁場にかけて30mm以下の稚貝が昨年同月の6トンから20トン台へと増え、回復の兆しがみられました。まだ漁獲対象にはなりませんが、漁協が実施している母貝の放流などと合わせて、資源の回復に懸命に取り組んでいます。
 豊前海研究所では、これらの指導とともに広域的な浮遊幼生量の把握や冬季の波浪による減耗防止のための地盤安定対策に努め、人工稚貝の放流にも取り組んで行きます。

(豊前海研究所浅海増殖課)


 

 

 

 

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