なみなみ通信Vol.24

海況情報

 いずれの海区とも水温は平年並みで推移していましたが、12月の水温は高めとなりました。



平成16年度有明海のり養殖経過と生産結果

1 養殖経過

(1)秋芽生産期:
今年の採苗は水温の低下が遅れたため10月11日に始まりました。20日には台風23号が接近し、養殖施設への直接的な被害は少なかったものの、降雨による比重低下のため河口に近い漁場を中心に芽イタミ被害が発生しました。昨年大きな被害をもたらしたあかぐされ病は11月6日に初めて確認されました。しかし、11月の降水量が少く天候に恵まれたことと適切な干出操作が功を奏し、高水温であったものの大きな被害は発生せず平年並の生産をあげました。ただ、被害を避けるために高吊り管理を行ったため、赤芽の製品となり質的には今一歩という結果になりました。

(2)冷凍生産期:
一斉撤去期間中に栄養塩が減少し冷凍生産は危ぶまれましたが、出庫予定直前の12月4日に77mmの降雨があり栄養塩は増加しました。しかし比重の大幅な低下が見られたことから、当初の予定から3日遅れの12月9日に冷凍網が張り込まれました。12月までは高水温が続いたため、あかぐされ病の病勢が強い中での生産となりました。1月に入ると珪藻プランクトンが発生し14日には色落ちが確認されましたが、2月初旬の寒波で珪藻プランクトンは消滅し、色落ちは解消しました。その後は珪藻プランクトンの発生もなく4月の漁期終了まで栄養塩濃度は持続しました。

2 生産結果
秋芽生産は、枚数は平年並となりましたが、金額は単価安のため1割減となりました。冷凍生産は漁期が長かったことから枚数が約1割の増加、金額がほぼ平年並となりました。平成16年度漁期の総生産は、昨年度より約3億枚、過去5年平均より1億5千万枚以上の増加となり、金額では昨年より約25億円、過去5年平均より約3億円の増加となりました。

(有明海研究所のり養殖課)


あじさばまき網による主要浮き魚類の漁獲動向

 あじさばまき網による浮き魚類の漁獲動向について、代表漁協で調査をしました。平成16年漁期(5−12月)については、マアジの漁獲量は2,295トン、平年比(平成11-15年平均)227%と好漁でした。ウルメイワシについても平年比733%と好漁でした。マサバは10月以降の漁獲が伸び悩み、平年比84%とやや不漁でした。マイワシについては、依然として漁獲量が低迷しています。


あじさばまき網における主要浮魚類の漁獲動向
(研究部漁業資源課)


周防灘小型底びき網漁業対象種の資源回復計画が策定されました

現在、我が国周辺水域における漁獲対象となる魚種の多くは資源水準が低下する傾向にあります。このため、国は県や漁業者と協議した上で、これらの魚種について早急に資源を回復させることを目的に、漁獲の制限、種苗放流、漁場環境の保全など必要な対策を総合的、計画的に実施するため、資源回復計画を策定しています。 豊前海では山口県、大分県と共同で周防灘における小型底びき網漁業における重要魚種(カレイ類、ヒラメ、クルマエビ、シャコ、ガザミ)を対象とした資源回復計画が、昨年11月19日に公表されました。 この計画は対象となる小型底びき網漁業の漁獲対象魚種の資源量の減少を食い止めることを目標に、漁獲努力量の削減措置(小型魚の保護、休漁期間の設定等)をはじめとする様々な資源回復措置が盛り込まれた総合的な計画となっています。 今後は漁業者との協議を進め、参画する漁業種類を増やして資源回復効果をより高める方向で検討を進めていきます。


今後導入を進める小型魚保護改良網の操業試験
(豊前海研究所浅海増殖課)


豊前海南部沿岸域の海底清掃を行いました

「近年、豊前海沿岸域はゴミ等の堆積により底質環境が悪化し、稚魚育成場を減少させているのではないか」という漁業者の声が県に多く寄せられていました。漁場機能の回復を目的に、漁業者が主体となり小型底びき網による豊前海南部沿岸域の海底清掃事業を実施しました。 2月10〜23日(うち12日間)にかけて小型底びき網による海底清掃を行い、18.5トンのゴミを回収しました。回収したゴミには、ビニール類、ペットボトル等のプラスチック類、空缶等が多くみられました。 今後も、引き続き関係漁業者による海底清掃を実施し、漁場環境の改善に努めていきたいと考えています。
(豊前海研究所漁業資源課)


海底清掃風景             回収されたゴミ(1日分)

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