なみなみ通信Vol.26

海況情報

 水温は、筑前海では7月は沖合、沿岸部ともにやや高め、有明海では9月がやや高め、豊前海はほぼ平年並みで推移しました。


平成17年度有明海のり養殖のポイント

  9月26日の組合長会において今漁期の採苗日は10月6日と決定されました。現在(9月26日)の海況は水温25.8℃、比重23.6、栄養塩16.4μg・at/lと、水温が平年と比較して1℃ほど高いことを除いては、おおむね良好です。
本年度の秋芽生産期と冷凍生産期についてのポイントは以下のとおりです。

(1)秋芽生産期  
今年度の採苗は大潮過ぎになりますので、干潮は早朝となりラッカサンの中のカキガラ糸状体は冷え込みで刺激を受け、順調に殻胞子を放出するでしょう。流れも速いので均一にできると思われます。また、午後の干潮は夕方となりますので強い日差しの中での干出も避けることができます。したがって、採苗直後の芽イタミは少ないと考えられますので、芽数は適正の範囲内(蛍光顕微鏡100倍視野あたり3〜10個)で付けるのが望ましいでしょう。その後のスケジュールは12月からの冷凍網生産で用いられる網の冷凍入庫が10月29日から11月2日頃、続いて秋芽生産の初摘採は11月4日から8日頃と予想され、大潮を中心とした日程となります。干出の良く効いた良質の網の入庫ができ、初摘採はあかぐされ病の危険期である小潮の前に行うことができます(3ページ上図)。このように今漁期は潮回りとしては好条件に恵まれています。しかし、大潮時でも高水温や降雨にみまわれるとあかぐされ病は蔓延しますので、低張りは避け、天候を考慮しながら早め早めの摘採を行う必要があります。

(2)冷凍生産期
スミノリやくもりノリの発生予防のためにはノリ葉体に十分な干出を与えた後に初回摘採を行うことが必要ですので、小潮過ぎの11月26日頃、あるいは12月10日頃が冷凍網出庫の適期と考えられます。
   

(有明海研究所 のり養殖課)

平成17年度の潮回りから予測される養殖スケジュール

 


豊前海におけるエビ類の放流方式改良の取り組み

 豊前海では、以前からクルマエビ・ヨシエビ・ガザミなどの甲殻類を対象とした栽培漁業に積極的に取り組み、高い成果を上げてきました。漁業者は、常日頃から豊前海研究所と共に、放流効果を高めるために放流方法の改良を行っています。
クルマエビについては、平成15年度から宇島漁協青壮年部の発案で、放流後、海底へ移動するまでの間に多く見られる食害の防止や、砂に潜り外敵から身を守る能力を養うため、浅海域で網囲いをした中の砂底に中間育成後の種苗を放流し、数日たって囲い網を外す「囲い網放流方式」を導入し、成果を上げています。
また、ヨシエビでは、同じく放流時に多く見られる食害を防止するため、平成14年度から導入した船上からホースを使って直接海底に放流する「海底放流方式」にさらに改良を加え、昨年度から新たに「鉄筋カゴによる海底放流方式」の試験に取り組んでいます。すでに宇島漁協で試験導入され高い評価を得ています。
今回は一度に大量の稚エビを迅速かつ安全に生活の場である海底へ移送できる、この「鉄筋カゴによる海底放流方式」について紹介します。
【カゴの仕様と放流手順等】
@鉄筋カゴは、長さ1.0m×幅0.6m×高さ0.4m程度の鉄筋枠に、稚エビ投入部と海底での脱出部には3.3p程の粗め の網、その他の部位には稚エビが脱出できない細めの網でカゴ全体を覆ったもので(写真1)、1つのカゴで全長3p程度の稚エビ2万尾が収容可能です。
A放流は、稚エビ投入部から稚エビ種苗をカゴに収容し(写真2)、鉄筋カゴごと海底に沈め、目印を打っておきます (写真3,4)。
B海底設置後、約1時間で90%以上の稚エビが、粗めの網目部から自力で脱出し海底で潜砂行動に移ります。その後、 鉄筋カゴを回収します。
この方式によって、海面から海底までの移動時に多く起こる魚類等の食害による稚エビの現象が大幅に改善されます。現在、豊前海研究所では漁業者への普及を図っています。

(研究部海洋環境課)

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マダイ幼魚資源は回復傾向!!

 マダイ幼魚(ジャミ)の分布量調査を平成17年7月初〜中旬に鐘崎地先6点、新宮・奈多地先16点,唐津湾海域12点において1そうごち網漁船の試験操業により実施しました。マダイ幼魚とは今年の春に産まれたもので、1年後には漁獲対象となります。
この5〜6年の調査結果では幼魚資源は減少傾向が続いており、昨年には平均入網尾数80尾/網と昭和60年代の水準まで落ち込みました。しかし、本年の平均入網尾数は173尾/網と昨年に比例して倍増していること、分布域も広いこと、全長も平均4cmと6cmの2群以上がみられることからも、幼魚資源量が多いことが示唆されます。幼魚資源量の増減がそのまま漁獲対象のマダイ資源に連動する傾向が見られることから、平成18年漁期は1歳魚(15cm前後)が多く、2〜3歳(30cm前後)が少なく,4〜5歳(40cm前後)が多く、6〜7歳(50cm前後)が少なく、8歳以上(60cm以上)が多い傾向にあると考えられます。

調査海域別の幼魚の年別平均入網尾数を下図に示しました。昨年と比較すると全域的に増加傾向にあり、特に唐津湾内〜湾口域での増加が顕著です。また、鐘崎地先は前年と同様に分布が多くみられ、新宮・奈多地先も若干増加傾向にはありますが他海域と比較して少なめでした。

(研究部 漁業資源課)

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