なみなみ通信Vol.29

豊前海の水温の長期変動

 豊前海研究所では、昭和48年から毎月1回、豊前海の水温、塩分などの水質調査を実施しており、調査開始からこれまでの33年間のデータの蓄積があります。そこで今回、約30年間の調査データを基に、豊前海の水温について、長期的な傾向を整理・解析しました。
 豊前海の水温は長期的に高水温化の傾向を示し、約30年間で0.6℃ほど水温が上昇していることが分かりました(図1)。また季節別(図2)にみると、夏季の水温は逆に低水温化傾向を示し、年変動と異なる結果となりました。一方、冬季の水温は高水温化傾向を示し、年変動と同じ結果でした。
 このことから、豊前海では、年平均水温の上昇には冬季の水温上昇が大きく関係しているものと考えられました。一方、逆の変動を示した夏季の水温低下現象は、他の海域の福岡湾や東京湾でもみられています。近年、豊前海などの内海性海域に外海水の影響が増した結果ではないかと推察しています。



図1 豊前海の水温の長期変動

 


図2 豊前海の夏季水温及び冬季水温の変動

 


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