なみなみ通信Vol.3

調査情報

海況情報

 11月以降の本県沿岸域の表層水温は、筑前海では平年並み、有明海・豊前海ではやや高めで推移しました。沖合域は11月以降やや高めで推移しています。

(研究部海洋環境課、有明海研究所のり養殖課、豊前海研究所漁業資源課)


カタクチイワシ漁況

 センターでは、調査船でカタクチイワシの魚群量を毎年調査しており、その結果を関係漁協に送付するとともにシーネットに掲載しています。
 今期のカタクチイワシの魚群分布状況ですが、例年魚群の数量が増加する11月中旬〜12月下旬に逆に魚群量が減少しており、あぐり網漁も11 〜12月は全く出漁できない状況でした。1月になりやや魚群量は増えていますが、昨年の 1月に比べるとかなり少なく、あぐり網漁も数回の操業で打ち切られました。
 カタクチイワシが少なかった原因は、10〜 12月に小型のサワラ(サゴシ)が大量に来遊したことと、水温が平年より高めであったためと考えられます。

(研究部漁業資源課)


有明海ノリ養殖経過(1月前半まで)

 今年度は残暑が厳しく、10月に入って水温は26℃と平年より3℃高かったため、近年では最も遅い10月10日に採苗が行われました。高水温という不安を抱えてのスタートでしたが、採苗は順調に行われ、冷凍入庫も問題なく完了しました。
 秋芽生産は、高水温の影響であかぐされ病が大規模にまん延したため、1.8億枚、23億円で、いずれも平年の約60%でした。
 冷凍生産は12月2日、冷凍網の出庫により始まりました。当初から病害もなく、生長も順調で、近年にない質の良い製品がまとまって生産されました。12月22、23日に行われた冷凍初回共販には2.4億枚のノリが出荷され、高値が期待されましたが、平均単価は17.22円と振るわなかったため、水揚げは41億円にとどまり、不満の残る結果となりました。1月に入っても、水温は平年より2〜4℃高めで推移しており、ノリの生長は良好です。
 1月前半までの生産は表に示したとおり、平年と比べて枚数は93%、金額は88%ですが、徐々に平年作に近づいています。現在、海況的には問題がないため、今後の生産に期待がかかります。

(有明海研究所のり養殖課)


冬の味覚「豊前海一粒かき」の作柄

 今年度は7〜8月にかけての赤潮や貧酸素の発生がなく、また冷夏の影響で夏季の水温が低めでした。このため「豊前海一粒かき」の生育は平年以上に良好で、一部ではカキの重量で沈み始めるイカダも見られました。
その後、台風18号の通過に伴い、半数以上のイカダに中破以上の被害があり、コレクターに付着しているカキに1/3程度の落下あったことから、一部の漁協ではかなりの被害がありました。
 しかしながら、全体的にはイカダには平年以上の量が残り、その後の生育も良好であったことから、最終的には平年並み、750トン前後の収穫量が見込まれます。また成長も順調で、9月初旬には8cm程度に成長し、中には10cmを超え出荷サイズにまで成長したカキも見られました。10月以降は順調に身が入り、1月現在では栄養分をたっぷり含み、むき身重量が30gを超えるカキも見られています。

(豊前海研究所浅海増殖課)


アワビの中間育成

 筑前海でのアワビ栽培漁業については、昭和53年から研究所の指導により漁業者が中心となり、県栽培漁業公社が生産した種苗を約1年間で30mmサイズまで中間育成し、漁場に放流する取り組みが なされています。
 一時期病気等の問題で中間育成時の歩留まりが低下し、放流数が減少する状況が続きましたが、研究所と栽培漁業公社が一体となって対策に取り組んだ結果、今年度配布分から健全な種苗の生産に成功しました。その結果、各中間育成場での歩留まりは格段に向上し、活力ある種苗が育成されています。今後、水温の低下とともに成長期に入るため、2月中には放流サイズの30mmに達すると思われます。放流結果については次号(5月発行予定)でお知らせします。

(研究部浅海増殖課)


筑後川におけるアユ流下量調査

 本県の主要河川である筑後川では、毎年50〜100トンのアユが漁獲されています。アユの資源変動を押さえるため産卵時期と仔魚の流下動向を調査しました。 平成11年9月28日〜12月15日までの間、神代橋において夜間2時間毎の調査を1回と夜間14時間連続調査を11回行いました。調査は橋 上から稚魚ネットを垂下し流下仔魚を採捕しました。産卵盛期は9月下旬から10月中旬でした。調査 期間中の仔アユ流下総数は4,600万尾と推定され、昨年は990万尾と非常に少なかったが、今年は一 昨年と同水準でした。

(内水面研究所)


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