なみなみ通信Vol.33


周防灘における広域アサリ浮遊幼生調査

 福岡県豊前海のアサリ漁獲量は昭和61 年に1万トン超を記録した後、減少傾向にあり、近年では1,000 トン前後で推移しています。こうした減少傾向をくい止め、アサリ資源の増加を促進させるために、平成19 年度から周防灘3県(福岡県、山口県、大分県)と(独)瀬戸内海区水産研究所などとで協力しながら調査を実施しています。
 複数機関で共同調査を行う理由としては、福岡県豊前海沿岸のアサリ増殖を考えるためには、周防灘全体を把握する必要があるからです。アサリは産卵・受精をすると浮遊幼生と呼ばれるプランクトン状態となって海を漂うので、大分県で発生したアサリが福岡県に運ばれる可能性があります。この浮遊幼生がどこで出現し、どこに運ばれ、どこで着底し成長するのかということが今まで明らかになっていませんでした。
 近年、このアサリ浮遊幼生を同定する技術が確立され、アサリ浮遊幼生の動態・生態について詳細な調査が可能になっています。この技術を利用して周防灘全体のアサリ浮遊幼生の分布を調査し、さらに海流のシミュレーションなどで解析することで、出現場所、輸送場所などを把握し、効果的な母貝の放流などによるアサリ増殖対策につながるよう、調査を実施していきます。



アサリ浮遊幼生



アサリ浮遊幼生の動態・生態調査


(豊前海研究所 浅海増殖課)



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