なみなみ通信Vol.34

 

海況情報

 表層水温は、筑前海沖合域では7月はかなり高め、8月はやや高め、9月ははなはだ高め、沿岸域では7月は平年並み、8月は平年並み、9月はかなり高め、有明海では7月は平年並み、8月はやや高め、9 月はかなり高め、豊前海では7月はかなり高め、8月は平年並み、9月ははなはだ高めで推移しました。



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藻場調査

 現在、南九州沿岸域を中心に、大規模な磯焼けと藻食魚類等による食害、在来海藻種類の減少、さらには南方系ホンダワラ類の分布拡大等がおきています。本県においては、局所的に藻場の減少は見られますが、大規模な磯焼けや南方系ホンダワラ類の分布は確認されていません。
 磯焼けの発生・持続機構は今なお不明な点が多く、抜本的な対策がとれていません。このため、今年度から、(独)水産総合研究センターと九州各県等が連携して取り組む「本邦南西水域の環境変化に対応した藻場の回復・拡大技術の高度化事業」がスタートしました。本県では、現地調査による藻場の現状と変動傾向の把握を実施するとともに、関係機関と連携し、藻場の維持・拡大と、アワビやサザエ等の磯根資源の持続的生産を図るため、調査に取り組みます。



藻場調査の様子


(研究部 浅海増殖課)


筑前海のマダイ幼魚(ジャミ)資源調査情報

 筑前海のマダイ資源を把握するために、マダイ幼魚(ジャミ)の分布及び全長組成の調査を行いました。7月3日には宗像海域及び奈多・新宮海域、12日には唐津湾海域において1そうごち網漁船を用い、それぞれの海域に定められた6〜9点の調査定点で1そうごち網を1回ずつひき、入網した幼魚の全数と全長を測定しました。

1.調査結果
 平成17、18年の1網あたりの平均入網尾数は200尾程度でしたが、本年の調査では61尾と大きく減少しました。これは平年(過去30年間の平均)の196.5尾に比べ約31%と低い水準です。一方、マダイ漁獲量はここ19年間増加傾向です。漁獲されるマダイはいろいろな年に生まれた魚が混じっていることや、幼魚資源が漁獲資源になる過程で海況や水域環境などに影響を受け成長率や生残率が変化するため、ある特定の年のマダイ幼魚の多寡が必ずしも翌年の好不漁にはつながりません。しかしながら、長期的には、幼魚資源の減少は漁獲量の減少を招くことになるため、今後とも幼魚資源の動向を把握していく必要があります。

2.海域別の採捕尾数およびサイズ
 宗像海域では1網当たりの平均採捕尾数が172尾と最も多く、次いで奈多・新宮海域の62尾、唐津湾海域では9尾と他の2海域に比べ著しく少ない結果となりました。 採捕されたマダイ幼魚の全長組成をみると、宗像及び奈多・新宮海域では、60〜80mmを中心とした群が、唐津湾海域では、50〜60mmの小さい群と65〜80mmの大きい群の2群がみられました。



筑前海のマダイ幼魚(ジャミ)の入網状況とマダイ漁獲量の推移
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(研究部 漁業資源課)


平成19年度有明海のり養殖のポイント

  10月11日の組合長会議で採苗日が決定し、今年の採苗は10 月27 日から開始されます。今年度は過去最も遅い採苗日となります(過去最も遅いのは12 年度の10 月13 日)。
 10月18日現在の海況は、水温は22.6℃、比重は21.8、栄養塩(DIN) は3.1μg・at/l と採苗可能な水温となっていますが、栄養塩が少ない状態で推移しています。
 本年度の秋芽網生産期と冷凍網生産期についての考え方は以下のとおりです。
(1) 秋芽網生産期
 採苗後適正な数のノリ芽が確認されたら速やかにカキ殻を取り外し、干潮時には2時間の干出を取り、網の汚れやアオノリ等の付着を防止しながら、健全なノリ芽の育苗を行います。冷凍網入庫は採苗日の23日後の11月19日頃から開始されると予想されます。入庫前には網の干出を十分とり、健全な冷凍網を確保します。例年、入庫直前から入庫期間があかぐされ病の初感染時期となりますので、この期間の干出強化策が冷凍入庫までのキーポイントです。
 初回摘採は採苗日の29 日後の11 月25 日頃からと予想されます。秋芽網生産期は、漁場全域で干出操作を適切に行う集団管理が徹底されているかが、生産の豊凶を決定します。特に2回目の摘採は小潮時期と重なるため、ノリを長く伸ばさず早めに摘採を行い、ノリを短い状態にして網の干出を強化し、あかぐされ病の感染を防止することが重要です。
 また、網撤去時に状態の良い網は、必ず冷凍し、予備網として確保し、色落ち発生時の備えをしておくことも必要です。
(2) 冷凍網生産期
 冷凍網出庫は「くもりノリ」や「スミノリ」を防止するため、小潮後から開始することが重要です。これにより、ノリに十分な干出を与えた後に初回摘採が行われます。
秋芽網生産期と同様に網の干出を十分とり、ノリを長伸ばしせずにこまめに摘採することで、病害拡大を防止し、安定した生産を目指します。。



平成19年度の潮周りと水温の推移
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(有明海研究所 のり養殖課)


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