なみなみ通信Vol.34


有明海における覆砂効果について

  有明海では、土壌環境の悪化した海底の上に砂をまいて底質を改善する覆砂事業が実施されています。しかし、長期間経過した覆砂区域の一部では覆砂の上に浮泥が堆積し底質改善効果の低下が危惧されています。そこで、覆砂から長期間を経過した漁場の有効活用を目的として、覆砂効果の再生試験を行いました。具体的には、浮泥の堆積した覆砂域を選んで表1に示したように10 ヶ月間底質(COD、硫化物量)の状態を調べるとともに、それぞれの場所にアサリを500 個づつ放流し、回収状況を比較しました。
 その結果、再生手法を実施した場所ではいずれも底質の状況は良好に保たれていましたが、何も手を加えなかった場所では底質が悪くなる場合がありました。放流したアサリの回収率も、再生手法を実施した場所では2.4 〜 14.8%でしたが、何も手を加えなかった場所ではわずか0.6%でした。
 以上の結果から、今回実施したいずれの再生手法でもアサリの生息に適した環境への底質改善効果があったと考えられます。なかでも、浮泥とその下の砂の層を撹拌することが費用対効果の高いことがわかりました。機械、装置を用いた大規模な取り組みも考えられますが、ジョレンを使用し、底質の悪化した範囲を人海戦術で撹拌し、覆砂効果の再生を図ることも可能です。



(有明海研究所 資源増殖課)



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