なみなみ通信Vol.35


ノリの新品種「福岡有明1号」の判別技術を開発中

 有明海研究所の開発したノリの低塩分耐性株「福岡有明1号」が昨年3月に種苗法に基づき品種登録されたことは以前本紙でご紹介しました。しかし、せっかく開発した新品種ですが、ノリの場合、外見が単純であるため県外や国外に持ち出されて養殖されても見分けがつかないという問題があります。そこで、DNA解析により「福岡有明1号」と他の養殖株を判別する技術開発に取り組んでいます。
 PCRと呼ばれる遺伝子増幅技術を用いて調べた結果、「福岡有明1号」に特有のDNA断片がいくつか見つかりました。現在、このDNA断片を詳しく分析中で、この部分を簡単に検出するための技術開発を進めています。



  ノリ養殖株のDNA分析結果
※1が福岡有明1号、2〜5は他の養殖株
※矢印の部分が福岡有明1号に特有のDNA断片


(研究部 応用技術課)


天然マダイによるグミの捕食について

 平成元年に筑前海域で大量発生したグミは現在に至るまで発生を継続し、漁業に多大な影響を及ぼしています。また、グミは体内に忌避物質を含むため外敵が少なく、これまでヤツデスナヒトデ・ヤツシロガイの2種でしか確認されていません。
 一方、当海域は全国有数の天然マダイの生息域ですが、一部,漁業者からマダイがグミを捕食しているとの報告がありました。そこで捕食実態を明らかにするため、天然マダイの消化管内容物を水酸化ナトリウム溶液で溶解し、残留したグミ骨片の有無で識別する手法を新たに開発しました。この手法により福岡湾沖で漁獲された天然マダイによるグミの捕食状況が初めて確認されました。
 また、30cm以上のマダイの62%がグミを捕食し、マダイ1尾から最多で54個のグミが確認されました。天然マダイによる捕食量は、当海域におけるグミの量に対してわずかなものであると考えられますが、今後は、養殖用飼料や釣餌等への有効利用を検討していきます。



マダイ1尾の消化管内から検出したグミ(54個)



グミの骨片


(研究部 漁業資源課)



Vol.35 Topへ