なみなみ通信Vol.36


内水面研究所 研究員 佐野 二郎

20年ぶりの川の仕事
 内水面研究所に平成18年4月から勤務するようになり、はや2年がたとうとしています。私は昭和62 年に福岡県に入り、これまで水産振興課や漁港課で通算12年、有明海研究所で2年、また内水面研究所に異動してくるまでは研究部で5年すべて海に関係する仕事に従事してきました。大学時代に河川の水産生物増殖を研究する講座で陸封アユに関する勉強をしていましたので、県に入ってからもずっと内水面関係の仕事がしたいと思っていました。しかし20年近くたち、「もう行けないかな」とあきらめかけていたので内水面研究所への異動を頂いた時はとてもうれしかったことを記憶しています。

私の仕事
 現在は「オイカワの資源増殖実用化に関する研究」と「ハスの食害状況の把握と駆除方法の検討」という2つの研究課題、通常業務としてのSVCウイルス保菌検査、外来魚の駆除実証化に関する調査、ヒナモロコの繁殖保護に関する試験などを受け持っています。オイカワについては、平成19年度に初めて大量の種苗を効率的に生産でき、育てた稚魚約3万5千尾を2月下旬に県内の5河川と1湖沼に放流することができました。この模様はわずかでしたがKBCのニュースのなかで紹介されましたので、もしかしたら気づいていただいた方もいらっしゃるかと思います。オイカワは福岡県の内水面生産でトップの漁獲量をあげており、また釣りなどの遊漁の対象としても非常に人気の高い重要な魚種です。直接魚を増やす放流という事業はいわば子供を育て川に放すような仕事です。今後は川に放した子供たちが親になって孫となる卵をたくさん産める環境作りの仕事にも力を注ぎ込み、川の中にオイカワがたくさん見られるように努力していきたいと思います。

復活なるか投網マシーン
 前に述べたように、大学時代は陸封アユの生態に関する研究をしていました。研究というとかっこよいのですが、サンプル集めのためにひたすら投網をうちまくる日々を過ごしていました。21歳前後と若い頃ですので元気があり、流れがある川に腰まで入り1日に200回近く投網を投げていたことから投網マシーンと言われていました。20年たち内水面研究所で初めてのフィールド調査で投網をうったときも、技術だけは最初から丸や縦長好きな形にうつことができ、「さすが昔取った杵柄だな。」と最初は思っていました。ところがです。かつての投網マシーンの異名はどこへやら、20回もうてば投網を掛けた左肘も下がり気味となり網がずり落ちはじめ、30回ほどうつと腰はよろよろとなり、疲労困憊状態となりました。これまでの2年間どちらかというと野外調査は少なかったのですが、今年はハスの調査で野外調査を多く計画しています。私の辞書には「投網をうった数だけ標本が集まる」ことになっていますので、試験研究の成果を上げるためにも投網マシーン復活に向けてこれからウオーキングでもやって体力をつけていきたいと思っています。


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