なみなみ通信Vol.36


小石原川・佐田川の水産資源増殖にむけて

 福岡県には漁業権が免許されている河川として筑後川、矢部川など10河川があります。
 漁業者はこれらの河川を漁場として利用し、アユ、ハヤ、エツ、モクズガニなど多様な水産資源を郷土の特色ある食材として県民の食卓に供給しています。
 内水面研究所では、毎年筑後川・矢部川の水質などの環境を把握するとともに、必要に応じ水産資源調査を実施しています。また、他の漁業権設定河川についても各河川1〜2ヶ年かけて順番に魚類や環境などの基本的な情報を明らかにしながら有用水産物の増殖についての提言などを行っています。
 小石原川・佐田川については、前回の調査から10年以上経過しており、河川や外来魚等の環境の変化や、生態系への配慮などの新たな要素を組み込んだ増殖策の検討が必要となってきました。
 そのため、現在、水産有用種、外来魚など魚類の生息状況やその餌料となる水生昆虫や河川生産力の指標となる付着藻類の状況及び水質環境等を把握し、増殖策についての提言を行うための調査・研究に取り組んでいます。
 調査の結果、小石原川に生息する魚の種類数は10年前とほぼ変わらないこと、また、寺内ダムには約5,000尾ほどの、海に下らずダムとその上流域で生活する「陸封アユ」が生息していることなどが明らかになりました。
 さらに、小石原川の水質はアユなどの生育に適した水質を保っていること、魚の餌となる水生昆虫も筑後川などの大河川に劣らず豊富であることなどを明らかにするとともに、川の堰に設置されている魚道の調査も行っています。
 内水面研究所では、このような流域住民の生活にとけ込んだ中・小河川における水産資源の有効利用について、漁業が盛んに行われている筑後川など大河川とは違う、都市住民の親水域としての役割など多面的な機能を生かせる方策を検討したいと考えています。



 陸封アユ資源量推定のための標識アユ放流



堰に設置されている魚道(小石原川)


(内水面研究所)



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