なみなみ通信Vol.41

 

海況情報

 表層水温は、筑前海沖合域及び筑前海沿岸域では、4月、5月はやや高めでしたが、6月は平年並みからやや低めでした。有明海及び豊前海でも4月、5月はやや高めで推移しましたが6月は平年並みでした。



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フトモズク養殖生産状況

研究部応用技術課では、筑前海における冬の漁閑期対策としてフトモズク(地方名「そうめんのり」)の養殖技術開発を行ってきました。平成20年度までの取り組みにより、安定生産、量産化に係る課題の解決が図られ、本格的な養殖への道が開けました。
 20年度漁期は、芥屋、野北、西浦、志賀島、奈多、大島、地島で養殖されており、1月下旬から順次種網を沖出しし、5月中旬までに収穫が終了しました。経過は概ね順調で、今漁期の生産量は6.7トンと前年度の1.9トンを大きく上回りました。
 今後は、養殖規模・地区の拡大に対応するため、海面育苗網の量産化、さらなる省力化への取り組みや各地区の状況に応じた養殖指導を行うとともに、流通販売対策にも取り組んでいきます。

(研究部 応用技術課)

 

フトモズク養殖網の洗浄作業

収穫直前のフトモズク

グミ分布状況

筑前海では、ナマコの一種であるグミが沿岸域を中心に発生しており、2そうごち網、エビこぎ網、建網等の操業に支障をきたしています。
 その対策として、平成17年に水産海洋技術センターが塩分処理によるグミの駆除技術を開発し、18年から漁業者によるグミ駆除を行っています。その結果、沿岸域では減少傾向にあります。
 本年のグミ生息分布は、沿岸域では福岡湾口部と糸島郡二丈町地先の一部で高密度に生息していますが、昨年に比べ全体的に減少しています。沖合域では年々減少していましたが本年はやや増加しています。 

(研究部 海洋環境課)


グミの分布量推移

 グミの分布

サルボウの資源状況について

 サルボウは有明海では、ミロクゲ、モガイと呼ばれている赤貝の一種です。
 赤貝のように刺身で食べることはありませんが、むき身にしてショウガ醤油などで煮ると大変おいしく食べられます。また一般には缶詰にされています。
 このサルボウは、有明海では豊富な資源状態が続いています。
 これまでは単価が高く資源量が豊富なアサリが主に漁獲されたこともあり、サルボウの資源量は高い水準に維持され、今年の3月に実施した資源量調査の結果では、約13,000トンと推定されました。
 サルボウはアサリに比べて知名度が低いため、需要が伸びないのが課題です。この対策として、学校給食食材としての可能性の検討や直売所での販売を通じて,より多くの消費者の方にサルボウのおいしさを知ってもらおうと需要の拡大に取り組んでいるところです。

(有明海研究所)





サルボウ資源発生状況(21年3月調査)  

 ハスの食害対策調査

 ハスは、コイに近縁な魚食性の在来種で、元々は琵琶湖・淀川水系と福井県の三方五湖にのみ生息していた
魚で、在来種では珍しく魚食性が強いため、アユなどの水産有用淡水魚への食害が懸念されています。本県の
河川でもハスが見られており、内水面漁業者からはアユなどの有用種への食害を危ぶむ声があります。 
 しかし、ハスは今までほとんど調査・研究がなされていないため繁殖や食害の状況などもよく分かっていま
せん。
 ハスは、漁業権設定河川では筑後川、矢部川、八木山川に生息しており、その下流域や支流のダム湖に多い
ことが分かりました。また、これまでの調査で産卵場は川底が直径2cm未満の小砂利や砂が主体となってい
るなど、ハヤ(オイカワ)の産卵場と条件はほぼ同じであることなどが分かってきました。
 さらに、ハスは捕獲するため刺網に追い込んでも網の直前でUターンしたり、網を飛び越えるなどして、一
度に大量には捕獲できないことも分かってきました。駆除など食害防止対策を検討する上でこのような特性も
考慮する必要があり、当分、ハスとの知恵比べが続くことになりそうですが、漁業者が放流などを行い増殖を
行い増殖を図っている大切なアユなど有用魚類への影響を軽減する方法を検討していきたいと考えています。

(内水面研究所)

 

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