なみなみ通信Vol.42

 

海況情報

 表層水温は、筑前海沖合域で7月はやや高め、8月はやや低めと上下しましたが、9月は平年並みでした。一方、筑前海沿岸域は7月は平年並みでしたが、8月、9月はやや低めで推移しました。
 有明海は、7月、8月、9月を通じて平年並みでした。
 豊前海は、7月はやや高めでしたが、以後は平年並みで推移しました。



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マダイ幼魚(ジャミ)資源調査

 平成21年7月6日(奈多海域)、7日(宗像、新宮海域)および14日(唐津湾海域)にマダイ幼魚資
源調査を実施しました。

1 平成21年のマダイ幼魚資源について
 マダイ幼魚の平均入網尾数は、776尾で過去最高のS56年と同レベルであり、資源は高い水準にあると思われます。一方、漁獲量は平成元年以降上昇傾向が続いています。


マダイ幼魚(ジャミ)の入網状況とマダイ漁獲量の推移
 2 各海域の入網尾数
 入網尾数は、宗像海域では昨年より減少したものの、新宮、奈多海域はそれぞれ1,957尾、1,166尾と大幅に増加しました。一方、唐津湾海域では、湾口域は昨年より少なかったものの、湾内域は増えていました。
 近年、マダイの漁獲量は増加傾向にありますが、今後も幼魚資源調査を継続し、マダイ資源の動向を把握していきます。

( 研究部 漁業資源課)

 
海域別入網尾数の推移

マダイ幼魚( ジャミ) 

藻場再生の試み ーウニ駆除ー

 筑前海では、最近一部の区域で、これまであまり見られなかったガンガゼというウニが大量に発生して海藻を根こそぎ食べ尽くしているところがあります。そのような場所は海藻がなくなって岩とウニだけになり、俗に言う『磯焼け』といわれる状態になります。磯焼け状態になるとウニ類は餌がなくなって身がやせて商品にならなくなります。また、アワビやサザエは餌とする海藻がなくなり生育できなくなります。
 そこで増えすぎたウニを駆除して藻場を復活させる取り組みを進めています。ガンガゼが大量に発生して磯焼け状態となった場所でガンガゼを駆除し、その後のガンガゼの数と海藻の回復状況を調査しました。駆除前にはガンガゼが調査区域内に100個以上生息していたものが、その後は駆除16ヵ月後まで20個以下で推移しました。一方、駆除前に海藻が全く見られなかった場所においても駆除5ヵ月後には1平方メートル当たり4kg以上の海藻が茂っているのを確認しました。駆除16ヵ月後でも1kg以上の海藻が茂っており、アワビなどの餌料としても有用な海藻であるアラメの幼体も確認できました。
 このような試験成果を関係漁業者に紹介することで、漁業者自らによる藻場再生を目的としたウニ駆除が定
着しつつあります。

(研究部 浅海増殖課)


ガンガゼ
 

ガンガゼ類を駆除した磯の海藻生育状況

豊前海のアカモク生息状況と利用加工

 福岡県では、これまであまり利用されなかった海藻アカモクの有効利用に取り組んでいます。
 筑前海区では平成16年度から、豊前海区では平成19年度から豊前海北部漁協恒見支所と豊築漁協でアカモクの加工と販売が行われています。
 アカモクは1年生の海藻で、沿岸の岩礁域や人工護岸等に付着します、豊前海では北九州市門司区沿岸から豊前市沿岸まで広い範囲で分布しています。繁茂し始めるのは11月頃からで、収穫期の3〜4月には最大で5m以上にまで生長します。 アカモクはビタミンやミネラルを多く含むだけでなく、成熟(生殖器床の発達)に伴い粘り成分であるフコイダンが増加するのが特徴で、湯通し後ミンチ加工して販売しています。
豊前海研究所が平成20年度に行った調査では、アカモクの成熟は2月中旬ごろから北部の新北九州空港周辺から始まり、やや遅れて南部の豊前市地先で始まることが確認できました。
 収穫と加工は成熟が始まった3月下旬頃行われ、両漁協で合計約10,000個(100gパック)を製造しました。
 現在、地元の直売所などで販売され、購入者から好評を得ています。
   
 生殖器床が発達した株(矢印は、生殖器床)  地元でのアカモク加工品の販売風景
 連絡先
豊前海北部漁業協同組合 恒見支所 093-481-0055
豊築漁業協同組合            0979-83-2228

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