なみなみ通信Vol.42


有明海産乾のりの流通に関する研究

 ノリ養殖は有明海の主要な漁業ですが、近年の中国のりの輸入解禁や燃油高騰など、非常に厳しい経営状況にあります。さらに、最近の生産者価格の低迷が漁家経営の悪化に拍車をかけています。
 のり生産地として生き残るためには、コスト削減等の取り組みに加えて、生産者価格の向上が重要です。
 福岡有明地区ののり養殖は秋芽生産とその後の冷凍生産の二つに大別されます。漁協毎に等級格付けされた製品は、入札会で価格が決まる仕組みになっています。入札会は、通常、秋芽生産分が2〜3回と冷凍生産分が6〜7回の計8〜10回程度行われます。
 のりの平均単価を平成4年度、11年度および18年度で比較すると、全ての入札会で18年度の平均単価は低く、特に、秋芽生産1回目と冷凍生産1回目の入札価格の低下が著しいことが分かりました(図1)。
 秋芽生産1回目および冷凍生産1回目の入札結果を価格帯別に整理すると、20円/枚以上の高価格帯の割合減少が顕著で、このことが平均単価低下の要因の一つと考えられました(図2)。また等級格付数(銘柄数)は、共販漁連が乾のり製品の更なる差別化を目的に新たな等級を追加したため、平成4年度に比べて18年度の秋芽生産1回目入札時には1.7倍(239銘柄)に、さらに冷凍生産1回目入札時には約2倍(215銘柄)にまで増加しました。しかし、この銘柄の細分化は、ほぼ同等の製品を数多く作り出したため、1銘柄に買付業者が集中することがなくなり他業者と競合する機会が減少したため、入札本来の競争原理が機能しなくなったものと考えられます。
 これらの結果から、入札会の際に競争の原理をうまく機能させるためには、等級格付数を整理縮小することが重要であると考えられます。昨年度後半から共販漁連では電子入札システムが導入されています。今後は、この電子入札を用いて、競争性の高い入札制度を確立することが課題と考えています。

(有明海研究所 のり養殖課))

 


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