なみなみ通信Vol.43


福岡湾における覆砂による底質改善効果

 福岡県では、平成15年から福岡湾の底質改善を目的として、泥化した海底に砂を撒く覆砂事業を実施しています。
 本研究では福岡市東区西戸崎地先において覆砂による底質改善効果を明らかにするとともに、漁業との関連について検討しました。
 覆砂をした場所(覆砂区)としなかった場所(対照区)について、その底質環境を有機物量の指標である強熱減量と全硫化物量で比較すると、両項目とも覆砂区は対照区に比べて低い値を示しました(図1)。

 
図1 底質調査結果

 また、両区の底生生物の生息量を比較すると、覆砂区は対照区に比べて、種類数、個体数ともに増加していることが分かりました(図2)。 

図2 底生生物調査結果

 併せて、水産有用生物の生息量を把握するため小型底びき網とさし網を用いた試験操業を行いました。その結果、小型底びき網では、覆砂区の方が高価格魚であるクルマエビやマコガレイの幼魚等が多く漁獲されることが分かりました(写真1)。また、さし網においては、覆砂区の方が明らかにマコガレイの採捕量が多いことが分かりました(写真2)。

 覆砂区

対照区
写真1 小型底びき網を用いた水産有用生物調査結果


 覆砂区

対照区
写真2 さし網を用いた水産有用生物調査結果

 さし網試験操業の結果を両区で比較すると、覆砂区の方が採捕量で約2.3倍、推定金額で約3.5倍多いことが分かりました(表1)。
 以上のことから、福岡湾で覆砂を行うと、底質環境が改善されるとともに餌料となる底生生物が増加し、その結果として、水産有用生物の良好な育成場または好漁場が形成されることが分かりました。
 
表1 さし網での漁獲量と推定金額
 

(研究部 海洋環境課)


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