なみなみ通信Vol.44


 

海況情報(10月〜12月)

 表層水温は、筑前海では、1月の沿岸域の水温がやや低めであったのを除いて、平年並みで推移しました。
有明海と豊前海は1月はやや低めでしたが、2、3月は高めで推移しました。特に豊前海の3月水温は平年比+1.9℃とかなり高めでした。



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トラフグ資源調査情報

 東シナ海のトラフグ漁獲量は、昭和62年以降急激に減少し,現在は最盛期の約1/10 になっています。そこで、トラフグ資源の回復のため山口・佐賀・長崎・熊本・愛媛・大分の各県と連携し、平成18年度から種苗放流試験に取り組んでいます。これは、同一群の大型の種苗を福岡湾や有明海、瀬戸内海等の適地(天然稚魚の成育場)に放流し、追跡調査を行うものです。この結果、各適地毎の放流効果が明らかとなってきており、今後の種苗放流による資源回復につながることが期待されます。
 今漁期のふぐ延縄漁は、12月までは平年を下回ったものの1月と2月は豊漁で、全体としては平年並みの漁獲であり、過去最低の漁獲であった昨年度の約2倍となっています。


ふぐ延縄漁の漁獲量の推移 

天然トラフグ 


(研究部 漁業資源課)


平成21年度有明海ノリ養殖経過と生産結果

1.養殖経過
(1)育苗・秋芽生産期
 採苗は、水温の降下状況と潮まわりから過去2番目に遅い10月19日から開始されました。冷凍網入庫は11月12日からで、初摘採は11月18日から開始されました。あかぐされ病が11月13日,壺状菌病が11月16日に確認され、一時的に病害の蔓延がみられましたが,病害対策として、網の干出管理が行われ、秋芽生産は4〜6回摘採して、12月20日に終漁しました。 

(2)冷凍生産期
 冷凍網は12月26日から張り込まれました。初回摘採までは順調でしたが、1月中旬から珪藻プランクトンが増殖したため、沖の漁場で色落ちが発生し、色落ちの範囲は徐々に岸寄りにまで拡大していきました。色落ちは1ヶ月半継続したため、その間の生産量は減少しました。3月には海況が回復したことから、網の張り替えが行われ生産は再開されましたが、最終的な生産枚数は昨年を大きく下回る結果となりました。 
2.生産結果
 平成21 年度の総生産( 表) は、平均単価が前年より0.78円上昇したものの,枚数と金額はそれぞれ昨年比76%,83%と前年を大きく下回りました。


(有明海研究所 のり養殖課)

タイラギ豊漁(有明海)

 有明海のタイラギ潜水器漁業は、近年不漁でしたが、今漁期は有明海東部海域(佐賀県太良沖)に大量に生息していることが確認されました。
 今年度漁期は12 月13 日に潜水器漁業が解禁されました。福岡県では25 隻前後の漁船が操業し、貝柱重量で1日1隻あたり30 〜 50kg(殻付き重量では400 〜 700kg)、今漁期の漁獲量は殻付き重量で700トンを超えると推定され、近年にない豊漁となりました。
 また、今回のタイラギ資源は発生区域が広く、まだ操業していない漁場もあり、4月末に終了を迎えても十分な資源が残ることが予想され、これらは来漁期の資源として期待されます。

漁獲されたタイラギ(殻長約20cm) 

魚市場に大量入荷したタイラギ 

(有明海研究所 資源増殖課)

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