なみなみ通信Vol.45

 

海況情報

 4から6月の表層水温は、筑前海では、沖合,沿岸域とも概ね平年並みでしたが、6月の沖合域はやや低めでした。有明海は、5月は平年に比べて甚だ低めでしたが4月、6月は平年並みでした。豊前海の表層水温は4、5月は平年並みでしたが、6月は平年に比べて-2.2℃と甚だ低めでした。


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「豊前海一粒かき」の安定生産に向けて
 (天然種苗の採苗及び養殖試験)

 豊前海区のかき養殖は昭和58 年に導入されて以来、急速に普及し、現在では「豊前海一粒かき」というブランド名で年間1,000 トンを超える生産を揚げ、冬季の主幹漁業に成長しています。かき養殖では、種苗が付着したホタテ殻(付着基)を大量に使用しますが(1筏で1万枚程度)、現状ではそのほとんどを宮城県に依存しており、近年では種苗需要の拡大や採苗不漁の影響で、種苗の安定確保に問題が生じ始めています。
 そこで、当海区産種苗(地種)の採苗試験や既存の種苗(宮城県産及び広島県産)との成長比較試験を実施し、海区内での種苗確保の可能性や地種の成育特性を把握しました。
 その結果、カキの天然採苗は十分可能で、おおむね@浮遊幼生が初めて確認から約1ヶ月後で、A付着期幼生が初めて確認された頃が目安となることが分かりました。また、採苗された地種は既存の種苗と同等に成長したことから、種苗としての有効性が示されました。得られた成果は、他の海域に依存しないかき養殖を目指すための知見の1つとして活用したいと考えています。
 

採苗された天然種苗


産地別カキの成育状況
(上から宮城:豊前:広島産種苗)
 


カキ成長比較試験結果
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(豊前海研究所 浅海増殖課)

フトモズク養殖の生産状況
 筑前海におけるフトモズク(地方名 そうめんのり)の養殖については、平成20年度までの取り組みにより安定生産が可能になったことから、本格的な養殖が開始されています。 21年度漁期は、芥屋、野北、深江、西浦、奈多、志賀島、大島、地島で養殖が行われ、1月下旬から順次種網を張り込み、5月中旬までに収穫が終了しました。総生産量は前年をやや上回る7.2トンでした。
 来漁期も、さらなる安定生産や省力化のための取り組みや、各地区の状況に応じた養殖指導を行っていきます。


収穫直前の養殖網(3月19日:芥屋)

 
収穫作業(3月19日:芥屋)

(研究部 応用技術課)

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