なみなみ通信Vol.46


有明海におけるナマコの資源増大に関する研究

 有明海の特産二枚貝であるタイラギの資源量は近年低迷しており、タイラギを対象としている潜水器漁業は厳しい状況にあります。そこで有明海研究所では、潜水器漁業の対象となり、水産上の重要種でもあるナマコを有明海で増やす研究を行っています。
 ナマコは磯や砂〜砂泥質の海底にすむため、まず、生息に適した漁場を人工島(三池島)(図1)周辺に試験的に造成しました。漁場は海底に砂をまき、その上に100kg 〜 500kg の石を設置しています(図2)。そこに豊前海研究所で種苗生産された稚ナマコ( アオナマコ) を放流し、追跡調査を行っています

 

図1 人工島位置図
 
図2 造成漁場図

 昨年の放流実績を表1に、今年の放流実績( 計画分を含む) を表2に示しました。今年8月に実施した調査では、平成21 年度放流群と思われるナマコを11 個体再捕し、体長は平均で6.5 pまで成長していました(図3)。ナマコは水温が高くなると、岩陰等でじっと動かなくなる夏眠状態に入り、水温が低くなると活発に行動する習性をもっています。今後水温が下がってくると、発見率が高くなるとともに、より成長したナマコの出現が期待されます。また、調査地点では、有明海において変動の大きい塩分、溶存酸素など、環境条件も調査しており、ナマコの生息に適した環境であるかどうかの検討も行っています。今後、放流ナマコの成長、生残状況、環境条件等の調査を進め、ナマコの増殖と漁業の可能性について検討していきます。


図3 8月に確認された放流ナマコ

(有明海研究所)

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