なみなみ通信Vol.5

研究情報

コウライアカシタビラメの生態と種苗生産

水産海洋技術センターでは、コウライアカシタビラメ(有明海の福岡県沿岸では「くつぞこ」と呼ばれます)を増やすための試験研究として、有明海研究所が生態調査、研究部が種苗生産にそれぞれ取り組んでいます。

生態調査

有明海研究所では西海区水産研究所の協力を得ながら調査をしました。産卵は3月から4月に島原沖で行われ、稚魚は浮遊期を経て、5月には福岡県の河口・干潟域にやってきます。年内は砂泥底の浅場で過ごし、約15cmまで成長することがわかりました。福岡県では「くつぞこ」の操業期間が4月〜11月で、主に25〜30cmのものを漁獲していることもわかりました。長崎県、熊本県では冬に福岡よりも大型(28〜35cm)のものをとっていることや、産卵場が島原沖にあることを考えると、増やすためには有明海沿岸県の協力も必要になってくると思われます。

種苗生産

これまでにいくつかの県で試験生産を試みましたが、いずれも成功していません。研究部では10年度から研究に取り組み、その結果、受精卵を数十万粒規模で確保することができました。また、稚魚を育てることもできましたが、初期段階でのへい死が多く、ふ化から30mmサイズまで生き残るのは1%にとどまっています。6月末現在、約40mmサイズの稚魚を500尾程度、飼育しています。

(有明海研究所資源増殖課、研究部浅海増殖課) 


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