なみなみ通信Vol.50

 


海況情報

 7から9月の表層水温は、筑前海では、沖合域が7、8月は平年並み、9月はやや低めからかなり低めで推移しました。一方、沿岸域は7,8,9月全て平年並みでした。
 有明海の表層水温は7 月はやや高め、8、9月は平年並みでした。また、豊前海は7、8月は平年並みでしたが、9月は平年に比べてやや低めでした。
   
 筑前海沖合域の表層水温  筑前海沿岸域の表層水温
   
 有明海の表層水温  豊前海の表層水温


マダイ幼魚( ジャミ) 資源調査
 平成23年7月12日(宗像、新宮、奈多海域)及び14日(唐津湾)でマダイ幼魚(ジャミ)資源調査を実施しました。
(1) 平成23年のマダイ幼魚(ジャミ)資源について
マダイ幼魚の平均入網尾数は206尾で、昨年の689尾から大きく減少しました。しかし、特にマダイ幼魚が多かった平成21年、22年を除くと平均値は171尾であり、平成23年のマダイ幼魚の資源量は平年並みと言えます。
 
 マダイ幼魚( ジャミ) の平均入網尾数とマダイ漁獲量の推移

 また、漁獲量も平成22年はやや減少し、1,374トンとなっていますが、平成21 年、22年のマダイ幼魚が特に多かったことから、平成23年のマダイ漁獲量は1歳魚、2歳魚を中心に比較的多いと推測されます。

(2) 各海域の入網尾数
 いずれの海域でも昨年に比べて大幅に採取尾数が減少していますが、特に宗像地区では昨年の10分の1以下となっています。
  
 海域別入網尾数の推移
 (研究部 漁業資源課)
 
 藻場回復の取組が進行中
 昨年度から「環境・生態系保全活動支援事業」が始まり、今年は糸島地区から北九州地区までの15カ所でこの事業を活用した藻場回復の取組が進められています。この取組では、ウニ類に食べられて海藻がなくなってしまった漁場で漁業者自らがウニ類を駆除し、藻場を回復させようとするものです。この取組によりアワビやサザエなどの水産生物も棲みやすくなります。
 さらに、多くの地域で効果的な藻場回復の効果を高めるため、成熟した海藻を設置することで海藻のタネを供給させる「母藻投入」やウニ類の侵入を物理的に防ぐ「ウニハードルの設置」も実施されています。
 新宮相島漁業協同組合では、平成23年6月10日にガンガゼというウニの駆除とイソモク、アカモク、マメタワラという海藻の母藻投入が行われました(下の写真)。
 水産海洋技術センターは、このような取組に対して母藻投入の時期や場所、投入方法などの技術的な指導を行うとともに、効果把握のための調査を実施しています。
母藻投入の準備 ウニ駆除区域に投入された母藻 
(研究部 浅海増殖課) 
 
 平成23 年度有明海のり養殖のポイント
 
 10月1日の組合長会で、ノリ養殖のスタートである採苗(種付け)は10月14日と決定されました。
 9月末時点での海況は、水温24.9℃、比重22.5、栄養塩15.3μg・at/l で、採苗に向けて特に問題はない状況です。
 以下に、今年の秋芽生産までのノリ養殖におけるポイントを上げましたので参考にしてください。

(1)採苗・育苗
 今年度もオテマ(大潮過ぎ)での採苗であり、十分に潮が流れるので、ノリの種はムラなく付くと思われます。厚付きにならないよう注意してください。
 育苗期のポイントは十分な干出の確保による健全な芽の育成です。小潮時は網が汚れやすくなりますが、これは干出によって防ぐことができます。また、大潮時の干出による芽イタミを防ぐためには、普段からの適度な干出が必要です。干出による芽イタミを心配して無干出を続けると、弱い芽になってしまい、いずれは芽の流出を招くことになります。良い冷凍網を確保するために、十分な干出を取ってください。

(2)秋芽生産
 初摘採は11月12日頃から始まります。あかぐされ病の危険期である11月18日の小潮前に1回目の摘採を終了させ、十分な干出を与えて小潮を乗り切ってください。
 
 (有明海研究所)
 
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