なみなみ通信Vol.51


姪浜で順調なノリ養殖生産

 福岡県の「ノリ」といえば有明海産を思い浮かべる方も多いと思いますが、福岡湾内でもノリ養殖が行われています。福岡市漁業協同組合姪浜支所では、養殖業者自ら販売も行っています。ここでは、ノリ漁期の前半にあたる秋芽網生産の上質なものを「手造り味付けのり」として加工し、全国各地に発送されています。このノリは、その味の良さから常連客が多いとのことです。
 本年度は、例年と同じ時期の10 月中旬に種付けをし、養殖がスタートしました。近年、ノリ養殖時期に栄養塩(特にリン)が低下していましたが、本年度は順調な滑り出しで12 月末現在では栄養塩も基準値を上回っていることから、品質のよいノリが生産されており、また、販売も順調なようです。
水産海洋技術センターでは品質の良いノリが生産できるよう、漁場環境やノリの育成調査などに取り組んでいきます。

 
 (研究部 応用技術課)


下筑後川漁協で行われているオイカワ種苗生産

 内水面研究所では平成17 〜 21 年にオイカワの効率的な種苗生産技術や産卵場造成技術の開発を行い、その成果をそれぞれ「オイカワ種苗生産マニュアル」と「オイカワの産卵場づくり」の2つのマニュアル集にまとめ技術普及に努めています。今回は、下筑後川漁業協同組合で行われている種苗生産への取り組みについてご紹介します。
 種苗生産は卵を採るところから始まります。今年は、研究所で育成した親魚から7〜8月にかけて採卵した受精卵を漁業協同組合に運び、屋内の2トンFRP水槽の中に収容しました。この時、卵をそのまま水槽の中に入れるのではなく、砂利を入れたカゴの中にいったん入れて水槽の中に収容します。その後、約3ヶ月間、3〜4cm の大きさになるまで飼育を行いますが、この間、漁業協同組合の職員から役員までが交代で餌やりや、室温調節のための窓あけ、飼育水の管理を行いました。このような熱心な取り組みの結果、今年は成長・生残とも良好で、約1万粒の卵から4cm を超す7,000 尾の稚魚が得られました。取り上げた稚魚は、更に屋外の蓄養池に移され約1年間の中間育成を行った後、放流される予定です。また、これまでは内水面研究所で採卵した卵を用いていましたが、来年度からは漁業協同組合で採卵することを目標に産卵用の親魚育成も始まりました。
 種苗生産には水槽や池などの施設が必要なため、今回、ご紹介した下筑後川漁業協同組合のようにすぐに実施できるところは限られますが、要望があれば採卵技術や飼育技術の普及に努めていきたいと考えています。
稚魚取り上げ作業 取り上げた稚魚(全長4cm)
   
 親魚育成水槽 放流用種苗(全長10cm)の取り上げ 
   
(内水面研究所)

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