なみなみ通信Vol.52

 


海況情報

 1〜3月の表層水温は、筑前海の沿岸・沖合域では期間を通じて平年並みで推移しました。
 有明海では、1月は平年並みでしたが、2月はかなり低め、3月はやや低めで推移しました。
 豊前海では、1月はやや低めでしたが、その後は平年並みで推移しました。
   
 筑前海沖合域の表層水温  筑前海沿岸域の表層水温
   
 有明海の表層水温  豊前海の表層水温


平成23年度筑前海区カキ養殖の概況
 平成23年度漁期のカキの成長は、糸島地区、福岡湾ともに良好で、へい死も少なく、概ね順調でした。これは、水温が夏季に30℃を超えず、秋から冬にかけて緩やかに低下したこと、カキ漁場周辺で赤潮や貧酸素水塊の発生がほとんどなかったことなど、カキの受けるストレスが小さかったためと考えられます。
 筑前海区のカキ養殖産地では、カキを焼いて食べることができる「カキ小屋」がたくさん建ち並んでいます。「カキ小屋」では、カキの提供だけでなく、JA等と共同でカキ殻を石灰肥料へリサイクルする取組を進めるとともに、警察と連携して飲酒運転撲滅運動にも力を入れています。
 
カキ小屋風景 
 (センター研究部)
 
 平成23年度 有明海ノリ養殖経過と生産結果
 採苗は10月14日から始まりましたが、まとまった降雨と強い南風とが重なる過去に例を見ない悪天候の中でのスタートとなりました。このため、一部の漁場で、落下傘やカキ殻が脱落したり、ノリの種が付くまでに例年以上に日数を要する事態が生じました。また、育苗期や生産期には、高水温や低比重により、ノリの生理障害や病害が拡がり、秋芽網は生産枚数が減少し品質も低下しました。
 冷凍網の張り込みは12月20日から開始されました。冷凍網の健全度が心配されましたが、色・戻りとも概ね良く順調なスタートとなりました。2月上旬からノリの色落ちが発生し漁期の終わりまで継続しましたが、定期的な降雨で色落ちの進行が緩やかであったことや、ノリの平均単価が高かったことにより、冷凍網生産は良好な結果となりました。
 23年度の総生産は下表のとおりです。
(有明海研究所)
 
 ハモの年齢と体長の関係
 
 近年、豊前海区では、ハモの漁獲量が増加しています。主な漁期は6〜 10月頃で、ほとんどが小型底びき網による漁獲です。1隻1日あたりの平均漁獲量も、平成19年に0.5kg 程度であったものが、平成22年には、約5kg へと急激に増加しています。
 ほとんどの魚種で漁獲量が減少するなか、ハモの漁獲量は増えていることから、夏期の主要な漁獲物として注目を集めるようになっています。
 豊前海研究所では、瀬戸内海区水産研究所、大分県及び山口県と共同で、ハモ資源の適正利用に関する共同研究に取り組んでいます。
 その結果、成長に伴い耳石にできる輪紋を観察することで、ハモの年齢を調べることができました。また、耳石の輪紋の数と体長の関係から、ハモの年齢と体長の関係も明らかにできました。  
 今後は、年齢と産卵の関係、漁獲され始める年齢などを詳しく調べ、ハモ資源が持続的に利用できるよう、資源管理方策を検討していきます。
   
ハモの1隻1日あたり平均漁獲量の変化   耳石の輪紋
 (豊前海研究所)
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