なみなみ通信Vol.52


コイの産卵場造成について

 コイは本県の重要な漁業対象種であるとともに、遊漁の対象としても人気があります。しかし、平成16年度以降にコイヘルペスウイルス病(KHVD)が河川や湖沼などで発生し、コイの漁獲量は著しく減少しました。さらに、KHVDのまん延防止のため、稚魚の放流による増殖の取組が中止され、そのことも資源回復が遅れている要因の一つとなっています。このため、漁業者からは、放流に代わる増殖手法の開発を求める声が高まっています。 
 そこで、県では、平成22 年度から産卵場造成による増殖手法の確立を目指し、漁業者が製作から漁場への設置・管理まで実施できる簡易かつ、安価な人工産卵巣の開発に取り組んでいます。
 これまでの試験の結果、人工の産卵巣は水面下よりも水面上に浮かせるように設置することで効果が高いこと、人工産卵巣の設置効果期間は4〜6月の3ヶ月程度見込めること、卵を生み付けさせる素材としては、これまで養殖場で使用されてきたキンラン以外にもアコヤガイの採苗に用いる人工杉葉や農業用資材として用いられる寒冷紗などが効果的であることがわかりました。
 今後は、放流と同等の効果を確保するため、必要な産卵巣の数などを検討していきます。
  
人工産卵巣の設置水深別平均産卵数 
 人工産卵巣に生み付けられたコイの卵(左:人工杉葉  右:寒冷紗)
(研究部 漁業資源課)
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