なみなみ通信Vol.7

調査情報

海況情報

 3海区とも、暖冬傾向を反映し平年よりやや高めで推移しています。


カタクチイワシの漁況

 魚群の分布は福岡湾のごく一部に濃くまとまったものがみられるのみで、外海域、唐津湾でまとまったものはみられていません。そのため、12月末の漁獲量も唐津湾ではほとんどなく、福岡湾でも平年の約60%にとどまっています。
 不漁の原因は、カタクチイワシの来遊量が少ないうえ、昨年度と同様に食害魚のサゴシ(サワラの当歳魚)が多いためであると考えられます。また、唐津湾では餌となるプランクトンが非常に少なく、魚群が集まりにくい状況となっています。
 近年の冬季の漁況は、アジ、ブリ、サワラなどの食害魚が多いため、不漁の傾向にあります。

(研究部漁業資源課)

カタクチイワシ魚群分布(平成12年12月20日調査)

有明海のり養殖経過(12月末まで)


のり摘採作業
 採苗は、高水温傾向を考慮して10月13日と遅めに設定され、適水温の中、順調に進められました。
 しかし、冷凍網の入庫をひかえた11月上旬、台風20号の影響による大雨が降り、漁場の塩分が一気に低下したため、ノリ葉体の生長不良や異形がみられました。その後、あかぐされ病も発生したこともあって、秋芽網の生産量は平年の半分と不調に終わりました。
 冷凍網は12月4日から出庫されましたが、出庫直後に珪藻プランクトンが発生し、それにともなって栄養塩が低下しました。その結果、ノリは本来の黒い色を失った「色落ち」の状態となっており、栄養塩の回復待ちといったところです

(有明海研究所のり養殖課)


タイラギの資源状況

 有明海研究所では資源の減少原因を検討するために、漁期前調査に加え夏場の調査を充実させ、潜水器漁業者とともに稚貝の発生時から連続して調査しています。生息状況は7月から8月初旬に急激な減少がみられ、9〜10月にかけて一時安定したものの、11月初旬に再びへい死が始まり、その後も減少を続けています。貝柱の歩留りも悪く漁獲の対象となるものはごくわずかです。
 へい死原因については、夏季の貧酸素水塊、餌料不足などによる活力低下が考えられましたが特定するにいたっていません。今後は有明4県と連携して、病理、環境面など多面的な原因究明に取り組んでいきます。

(有明海研究所資源増殖課)


冬の味覚「豊前海一粒かき」の作柄

 コレクター垂下の本養殖は、2〜4月にかけて各地区で開始されました。種カキの付着数が多いことに加え、台風によるカキの脱落が少なく、イガイの付着も多く、成長は遅れ気味でした。さらに10月中旬からカキのへい死が発生し、決して順調とは言えない養殖経過をたどりました。
 収穫は10月中旬から始まりましたが、暖冬のため、注文の出足がにぶい状況でしたが、水温の低下とともに、身入りも回復傾向にありますので、これまでどおりおいしい「豊前海一粒カキ」が提供できると思います。
 1月19日(金)11〜18時まで、福岡市の天神中央公園で販売促進のイベントを開催しましので、ぜひお立ちよりください。(小雨決行)

(豊前海研究所浅海増殖課)


コレクターに付着したカキ

カキの洗浄、選別作業

モクズガニの放流追跡調査

 秋の味覚として知られるモクズガニですが、資源が大きく減少しており、その復活が強く望まれています。そこで研究所では、甲幅4?の人工種苗3万尾を平成10年7月に甘木市の佐田川(寺内ダム上流域)に放流して、成育を調べています。種苗の定着率と成長は予想を上回り、2年後には平均40?に達しました。小さな人工種苗であっても資源増殖に応えてくれそうです。

(内水面研究所)

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