なみなみ通信Vol.8


海況情報

 3海区とも、暖冬傾向を反映し平年よりやや高めで推移しています。


豊前海ではガザミが豊漁!

 豊前海では近年、ガザミの漁獲量が減少傾向にありました。行橋魚市場の入荷量 を見ると、平成12年8月までは例年の1/2入荷量にとどまっていましたが、10、 11月は1ヶ月で18t以上と前年の約3倍の入荷がみられました。この傾向は例年 漁獲量が減少する12〜3月も続き、漁業者からは「今までに例のない大漁だ!」という 声があがっています。現在、積極的な稚ガニの放流が実施されています。9年には 「豊前本ガニ」と命名されブランド化を進めています。今後は、安定供給方法の開発や、 抱卵ガザミ再放流に取り組んでいきます。

行橋市場ガザミ入荷量

(豊前海研究所浅海増殖課)


順調だったワカメ養殖

 福岡湾口部漁場での生産は、記録的な豊作であった11年度を下回るものの、病害の発生が なかったため、ほぼ平年並みでした。養殖開始当初の生長が鈍った要因は、秋季の高水温傾向に よるものと考えられます。糸島地区は平年並みか、やや上回る生産でした。

【塩蔵加工の注意点】

 生産者の方からワカメの塩蔵製品が保存中に黄色っぽく変色したという話をよく聞きます。 この変色は、ワカメに含まれる酸性成分によって緑の色素が破壊されるために起きると いわれています。変色した製品が出回った場合、その地区の製品全体のイメージダウンに つながるおそれがあります。変色防止のため、次の点に十分注意して加工してください。

@末枯れ部分とその周辺部をきちんと取り除く(老化した部分ほど酸性の度合いが強い)
A末枯れが進んだ藻体は使わない
B摘採から湯通しまでの時間を極力短縮する(時間が経過するほど酸性の度合いが強まる)
C湯通し用水の表面の泡を取り除き、酸性成分が蒸発しやすくする
Dある程度使用した湯通し用水は交換する

福岡市漁協弘支所における養殖ワカメの生長(島原産種苗)

(研究部浅海増殖課)


大切に育てたいイカナゴ資源

 福岡湾周辺海域のイカナゴ漁業は、資源状況が悪化したために昭和62年から平成5年まで 自主禁漁が行われ、6年から漁業が再開されました。稚仔の発生量は7年には増えましたが、 それ以降は減少に転じています。成熟期である11〜12月の高水温が影響して11、12年 度は発生量が少ない結果になりました。しかし12年度は、餌となるプランクトンが豊富で 生残率が良かったと推測され、昨年よりシンコの漁獲は増加したようです。自主禁漁しても すぐには資源が増えないことから、大事に育てたい資源です。

イカナゴ稚仔発生量の推移

(研究部漁業資源課)


有明海ノリ不作等緊急調査

調査の目的

 有明海ではタイラギ等の貝類資源が激減するとともに、平成12年度漁期のノリ養殖の 不作等、漁業不振に陥っています。県では原因究明と抜本的な有明海再生を目指した、 調査・研究に取り組んでいます。

 調査・研究を進めるにあたって目標と時期を三つの段階に分けました。

1 緊急調査 − 平成12年度 −

 13年3月までに、国及び有明沿岸4県と協同で潮流調査や底質などについて、 緊急的な調査を実施するとともに、過去の知見と比較検討しました。

2 本格的調査 − 平成13年度漁期前対策 −

 13年度ノリ漁期開始前に生産の安定を図るための対策を講じることを目標に 13年4月から本格的な原因究明の試験、研究を実施し、実施可能なものから 随時対策を具体化します。

3 本格的調査 −中長期的有明海再生計画−

 有明海の再生につながる中長期の抜本的対策を講じるための調査、研究を 2年間程度継続して実施し、有明海再生計画を構築することを目標とします。

 今回の緊急調査では期間が短いことから、調査、研究課題は以下の考えにより選定しました。

@漁業者が「有明海の環境がかわったのではないか」と疑問に思っていること。
A短期的な調査により現状把握が可能なこと。
B13年4月からの本格的な調査、研究で原因解明の基礎となること。

調査の方法

 潮流調査は小潮時は福岡県のみで、大潮時は水産庁、有明沿岸四県が一斉に 実施しました。又、底質調査も実施し、過去との比較検討を行うため既往知見の 整理、解析をしています。

緊急調査点図

漁業者の協力による潮流調査

(水産海洋技術センター)

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