ミジンコ大量培養システムの開発

 ミジンコは淡水魚の稚魚の大切な餌として古くから使われていますが、その培養は、池に鶏糞などを 入れる施肥の方法や、ミジンコの種を入れた水槽に酵母やクロレラを給餌するといった方法に頼ってきました。 しかし、これらの方法は天候に左右されたり、培養量が少なく安定しないため、高価なアルテミアで代用する などの問題がありました。研究所では、アユ、オイカワ、エツなど水産上重要な魚種や、環境保護教育の一環として 注目されているメダカなど希少種のための生物餌料を確保する観点から、平成9年度からミジンコの大量培養法の 研究を進めてきました。

3年間の試行錯誤の末、最大の難点であった「ミジンコの遊泳速度以下の緩やかな水流で、 酸素を充分に供給し、かつエアレーションの障害を防ぐこと」を克服し、収穫の妨げとなる糞などのゴミを除去する 方法も考案して、培養システムを開発しました。このシステムは、1トン水槽3基セットでは日量約7kg(3,500万個体) のミジンコがいつでも収穫できる能力があります。従来の施肥培養と比較すると、300〜150分の1の池面積ですむ計算 です。ちなみにこのシステム開発は12年10月に職務発明として特許申請されました。
 今後は、さらに培養コストを下げるための餌の改良をはじめ、海産ミジンコの培養に本システムを応用し、海産魚介類 の種苗生産にも役立てたいと考えています。

(内水面研究所)

ミジンコ大量培養システム


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